記者会見や取材時に聞くことのできた選手やコーチたちの興味深いコメントの背景にあるものはいったい何なのか――? 米国ロサンゼルスを拠点に長年NBAを追い続けるライターの宮地陽子氏が取材した『一戦』で聞いた『一言』の真意を読み解く。連載開始となる第1話は、ロサンゼルス・レイカーズのスタンリー・ジョンソンがチームメイト、レブロン・ジェームズについて語った言葉の裏側に迫る。
今日の“一戦一言”(いっせんいちげん)
スタンリー・ジョンソン(ロサンゼルス・レイカーズ)
レブロン(ジェームズ)は頭のいい選手なんだ。『これをやってみろ』『わかった、やるよ』『これもやってみろ』『わかった、それもやってみる』…って、それぐらい単純なことだった。この2年ぐらいの試合を見ていたら、僕のようなサイズの小さな選手がいるチームがドリブルで彼(ルディー・ゴベア)をアタックすると成功しているんだ。
やや唐突に「レブロンは頭のいい選手」と切り出したジョンソン
1月17日(日本時間18日)、ロサンゼルス・レイカーズがユタ・ジャズに101対95で勝利した試合で、勝敗を決した第4クォーターに活躍したのが、レイカーズと3回目の10日間契約を交わしたばかりのスタンリー・ジョンソンだった。第4クォーターに12分フル出場し、フィールドゴール6本中5本を成功、10得点をあげている。
レイカーズが連続13得点で逆転したときも、13点のうち8点をジョンソンがあげている(残りの5点はレブロン・ジェームズ)。なかでも、最近4シーズンで3回、リーグの最優秀守備賞を受賞しているジャズの守護神ルディー・ゴベアを相手に、逃げることなく正面から挑んでいた。
たとえば第4Q残り8分、トランジションで攻め込もうとしたジョンソンの前にはゴベアがディフェンスのスタンスを取って守っていたが、あえて懐に飛び込むようなドライブインでバランスを崩させて、レイアップを決め、ファウルも誘った。その後、残り5分35秒にも、ペイント内でゴベアのわきの下をくぐりぬけるようにステップインしてレイアップ成功。身長216cmのゴベアより20cm近く低いジョンソンのアグレッシブに攻める姿は印象的だった。
そこで上のコメントだ。試合後にゴベアを攻めて得点をあげたことについて聞かれたジョンソンは、やや唐突に「レブロンは頭のいい選手なんだ」と言い出した。つまり、第4Qのアグレッシブなプレーの数々は、自分の本能に従ったプレーではなく、レブロンのアドバイスに従い、言われた通りのプレーをやっただけだというのだ。
ゴベアのブロックの脅威に外に逃げてしまいがちなところ、レブロンはサイズは小さいものの、パワーを持っているジョンソンがドリブルで攻めることが効果的だと判断して指示。ジョンソンはそれを実行に移しただけだという。フランク・ボーゲル・ヘッドコーチも、「レブロンが、ルディーをどうアタックするかを見きわめたのでやってみた」と、レブロンの提言で使ってみたプレーだったと認めている。
レブロンいわく、試合中は常に、チームとして効果的な攻め方を考えているのだという。
「みんなが成功するやり方を考えているだけ。試合中に試合の流れを読み、チームメイトをフロアの別のポジションにおくことでオフェンスが成功できるような新しい方法を考えている。それによく応えてやってくれた」。
レブロンのバスケIQの高さについてはよく言われることだが、それをどうやって試合に適用しているのかがわかるコメントだった。
からの記事と詳細 ( 【宮地陽子の一戦一言】第1話:スタンリー・ジョンソン「レブロンは頭のいい選手なんだ」 - Sporting News JP )
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