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Wednesday, April 22, 2020

もはやEV要らず!? 新型ヤリスHV 公道試乗でわかった驚異の燃費性能 | 自動車情報誌「ベストカー」 - ベストカーWeb

 ついにデビューしたトヨタ・新型ヤリス。 今回は1.5Lガソリンエンジン車(Z・192万6000円)とハイブリッド車(G・213万円)を駆り、公道初試乗でその走り、そして燃費を軸にその実力を多角的にチェック!!! ホンダ フィット(クロスターハイブリッド・228万8000円)、VWポロ(TSIハイライン・275万9000円)とのスペック比較表も掲載!!!

【画像ギャラリー】驚異の燃費を記録!!! 新型ヤリス/ヤリスハイブリッド市場の様子をギャラリーでチェック!!!!

※本稿は2020年3月のものです
文:鈴木直也/写真:ベストカー編集部/撮影:平野学
初出:『ベストカー』 2020年4月26日号


■燃費40km/L!!? コンパクトカーの、いやクルマそのものの“ゲームチェンジャー”になる?

 世界中を大混乱に陥れている新型コロナウイルス。我々の業界も例外ではなく、試乗会やレースなどのイベントがことごとく中止もしくは延期となっている。 

 そんな最中、今年最大の注目作といえるフィットとヤリスがほぼ同時デビューしたわけだが、ぎりぎりのタイミングで間に合ったフィットに対して、ヤリスは無念の試乗会中止。

 次善の策として、広報車個別貸し出しによる対応ということとあいなった。 

赤いヤリスがハイブリッドでシルバーが1.5Lガソリンエンジン搭載車。外観上の差異はパワーユニットの違いによるものではなく、グレードの違いによるもので、基本的にエンブレム以外の差はない

 しかし、転んでもただでは起きないのがベストカー。WLTCモード35.8km/LというヤリスHVのカタログ燃費を検証すべく、ライバルフィットHVとのコンボイで燃費テストを実施したのだった。

 向かったのは、三鷹をスタートして国道20号で都心を目指し、山手通り経由で練馬から関越で鶴ヶ島IC、そこから一般路で熊谷に至るというルート。

 これは、国交省所管の交通安全環境研究所がWLTC評価用に定めたコースで、我々のテストでもWLTCカタログ値との高い相関性が確認されている。

 で、そこで得られた燃費のデータだが、率直に言ってぶったまげました。

 セクター別の詳細なデータは下に掲載の表のとおりだが、トータル燃費31.9km/Lはともかく、一般道で40km/Lの大台に乗っちゃったのにはビックリ。

 特別なテクニックを使うことなく、ただ交通の流れに乗っているだけでこの数字が出るとは、驚異的としか言いようがない。

 もちろん、クルマの評価は燃費だけで決まるものではないが、この水準まで到達しちゃうと話は別。新型ヤリスHVは、自動車業界全体の電動化シナリオに大きな影響を与える“ゲームチェンジャー”となる可能性が出てきた。

 今、自動車メーカーが直面する課題といえばCO2削減。当面のハードルは来年EUで始まる走行1kmあたり95gというメーカー別平均CO2排出量規制だが、これが燃費に換算するとだいたい24km/Lになる。  

 これですら各メーカーとも四苦八苦しているわけだが、その先には2030年に60g/km(38km/L相当)というさらに高い壁が立ちはだかっていて、これは最低でも販売台数の2割以上をゼロエミッションのEVにしなければ実現困難と予測されている(だから欧州メーカーはEV化に必死なのだ)。

 しかし、ヤリスHVの35.8km/LというWLTCモード燃費は、目標達成まであと一歩。必要ならバッテリーをちょっと増量してPHEV化するもよしで、不可能とも思えた60g/km規制をクリアする潜在能力を見せつけているのだ。

ヤリスハイブリッドをドライブする鈴木直也氏。カッチリとした車体剛性の感じや、骨太感のある操舵フィールはドイツ車的。ソフトで優しい運転感覚を目指したフィットとは対称的で、両車の個性はみごとなまでに対極となった

「“ウェル・トゥー・ホイール”で考えると、ピュアEVでも実質50g/km程度のCO2を発電所から排出するわけじゃん?」
「日本の発電環境だとそのくらいっすね」
「だとするとさ、内燃機関ベースでこの燃費が出たら、もはやピュアEVにこだわらなくてもよくね?」
「200万円で買えて、充電も要らないですしねぇ」 

 これは、テスト現場でのボクと編集ウメちゃんとの会話だが、もし「EVはゼロエミッションとして計算する」というルールが見直されたら、電動化のシナリオが大きく変わってくること必至。

 そこに多くの人が気づいたら、ゲームのルールが変わる。ヤリスHVの燃費性能には、それだけのインパクトがある。

運転席は座面の収まり感もよくスッと座れる心地よいシート。後席は乗降時の足元スペースは狭く、ドア開口部頭上も狭い印象だが、座れば意外と快適

■燃費だけではなく、高い動力性能も味わえる!!!

 しかも、これほどの燃費性能を持ちながら、ヤリスHVの走りは旧モデルを大きくしのぐ。

 ふだん使いならECOモードに入れっぱなしで何不自由ないドライバビリティを発揮するし、ノーマルモードでは“ヤンチャ”と表現したいくらい元気。

ヤリスに搭載されるエンジンはハイブリッドもコンベガソリンも直列3気筒の1.5L(1490cc)で共通の「M15A」型。ハイブリッド用はより効率を追求したアトキンソンサイクルで91ps/12.2kgm、コンベは120ps/14.8kgmとハイパワーだ

 首都高で右車線にレーンチェンジして前に出ようとした時など、期待以上の軽快なダッシュに思わず「オッ!」と声が出たほどで、この活発なドライバビリティと30km/Lオーバーの燃費が両立している点が恐るべしなのだ。 

 ついでにいえば、ノンHVのヤリス1.5Lも、かなりのオススメ車といっていい。 

 新型の1.5L 3気筒エンジン(120ps/14.8kgm)はトルキーなだけではなく高回転域も元気で、発進ギア付きのCVTはラバーバンドフィールを感じさせずダイレクトな加速感が心地よい。

前がヤリスハイブリッドで左がフィットハイブリッド、奥がポロTSIのエンジン。各車個性派です

 WLTCモード燃費は21km/L台だが、これはHVが異常によすぎるだけ。今回の取材では19.2km/Lの実燃費を記録している。これで中核グレードが約175万円なんだから、コスパのよさはHV以上と評価できる。

 新型コロナウイルス騒動によって今後しばらく世界中で景気の低迷が予想されるし、OPECの協調減産失敗によって原油価格も安値が続きそうな気配だ。

ヤリスはコンパクトカーとして荷室や後席乗降性などはある程度割り切ったことでギュッと引き締まった密度の濃さを感じさせる

「コロナ騒動でグレタちゃんすっかり忘れられたねぇ」

「ケツに火がついたら、環境より目先の金っすよ」

「ガソリンも安くなるし、電動化はしばらく停滞だな」

荷室はバックドア開口部が絞られている印象で地上高もやや高め。だが奥行きは意外と深い

「でも、ヤリスHVみたいなクルマが増えれば、実質的なCO2排出量がガンガン減っていいじゃないすか?」

「そうだけど、EVに莫大な投資をした自動車メーカーはどーすんの?」

「補助金と電池の値下がりをアテにして赤字の我慢比べをしちゃダメっすよ(笑)」

前からヤリス、フィットクロスター、ポロの順だが、こうしてみるとヤリスのコンパクトさが際立つ

 まさに、世の中一寸先は闇。ゲームのルールは変わることもあるんだから、ヤリスHVみたいに健全でサスティナブルなビジネスを心がけないと危険ということですねぇ。

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