なんだかすごそうだけど、いったい何なの?
テクノロジーのニュースでたまに耳にする「量子コンピューター」。今ある電子で動くコンピューターでは解けない問題が解ける...という話なんですが、一体どういうしくみで、何がすごいんでしょうか?
理化学研究所などと協力し、クラウド経由で利用できる量子コンピューターを日本企業で初めて公開した富士通に話を訊いてきました。
膨大な組み合わせの計算に一発で答えられる
今あるコンピューター(古典コンピューターとも呼ばれます)は超スピードで計算を行なえる一方、考えることが多い問題を解くときは、総当たりで計算するしかありません。
たとえば、レストランでみんなにピッタリのメニューを選ぼうとしたとき、古典コンピューターは、参加者全員にあらゆるメニューの組み合わせを(超スピードで)聞いて回ります。
一方、量子コンピューターは参加者それぞれに好き嫌いやお腹の空き具合を聞いて、総合的にベストな組み合わせを一発で導き出そうとします。
量子コンピューターは複数の可能性がある問題をからみあわせて処理でき、問題の項目(いっしょに食事する人数だとかメニューの種類だとか)が増えるにつれ、古典コンピューターより速く答えにたどり着けるようになるのが特徴です。
※これはあくまでたとえ話です。古典コンピューターも「なんでも総当り」みたいな効率の悪い計算はしません。でもメニューが増えるといずれ限界がきます。
世の中にはこの手の「たくさんの可能性を片っぱしから試さないと答えが見つからない」問題が結構あって、そこで活躍が期待されているのが量子コンピューターなんです。
デジタルな量子シミュレーターで
アナログな量子コンピューターをサポート
実は、スーパーコンピューター級の処理能力があれば、作るのが難しい量子コンピューターがなくても量子計算はシミュレートできます。
デジタルなコンピューターによる「量子シミュレーター」は量子コンピューターが悩まされるノイズの影響がなく、正確な量子計算が可能です。一方でとんでもない処理パワーが必要で、世界有数のスパコン「富岳」を使っても40なかばの量子ビットをシミュレートするのがやっと。
まだ開発段階である、富士通の量子コンピューターの64量子ビットをシミュレートするにはさらに大量のコンピューターが必要になります。
そこまで苦労してなぜ量子コンピューターを真似るのかというと、量子コンピューターで動くプログラムの答え合わせのためです。
ノイズのない量子シミュレーターなら、量子コンピューターがきちんと動いているかをチェックすることができるんです。
富士通は量子コンピューターと量子シミュレーター(スーパーコンピューター)の両方をそろえたハイブリット量子コンピューティングプラットフォームが強みで、すでに量子アプリの開発体制が整っているわけです。
量子コンピューターはまだまだ基礎開発の段階で、実際に世界を変えるコンピューターが生まれるまでには超えるべきハードルがいくつもあります。
それでも、富士通は量子コンピューターが実現する未来に向けて、着々と準備を進めているのです。
© RIKEN Center for Quantum Computing
© 2023 Fujitsu Limited
Source: 富士通
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