ライフハッカー[日本版]2023年3月6日掲載の記事より転載
すでに新定番のツールとなりつつあるChatGPT。仕事で使う場合には、「求めている答えをいかに着実に引き出すか」がポイントになります。
登場から約3か月間使い込んでわかった、活用のコツと注意点をご紹介します。
1.「作ってもらう」より「アイデアをもらう」
文章をAIに丸ごと作成してもらうのも楽しい体験ですが、ビジネスでより実用性が高いと感じるのは、アイデア出しでの活用です。
筆者が実際に使っているのが、インタビューの質問内容を考えるとき。たとえば、リスキリングについての取材なら、こんな風に聞いてみます。
リスキリングをしたいと考えているけれど、行動を起こせずにいる35歳・営業職のビジネスパーソンがいます。彼が不安に感じているであろうことを箇条書きで教えてください。
「不安に感じること」の具体例が箇条書きで出てきました。AIに聞くまでもなく自分で想定できていた項目もありますが、見落としていたものに気づけたり、「その発想はなかった!」という新しい視点を得ることができたりします。
これはブログ記事の内容を考えるときなどにも使えます。
その場合は、「〇〇(ブログのテーマ)について、△△(ブログの想定読者の年齢や属性など)が知りたいと思っていることを教えて」などと質問すればOKです。
2. 質問は具体的に!
質問が雑すぎると、狙った答えが返ってこないことがあります。
たとえば、先述のリスキリングの質問では、「35歳」「営業職」「行動を起こせずにいる」など、その記事を読む読者像を想定した具体的な情報を入れています。
これらの情報を入れず、「リスキリングについての取材の質問案を考えてください」とだけ聞いたところ、企業側の視点に立った内容が返ってきました。
ここで「わかってない!」怒るのは早計で、自分が雑な質問をしすぎているのが悪いんです。
人にものを聞くときと同じで、具体的な答えがほしければ、具体的に質問することがポイントになります。
3. しつこいくらい聞きまくる
出てきた答えに対して、チャット形式で追加質問できるのがChatGPTのいいところ。一往復の会話で満足せずに、ガンガン追加で質問をしていくと、より多くの情報を引き出すことができます。
たとえば、「リスキリングに対する不安」の質問では、箇条書きでいくつかの項目が出てきました。そのなかで詳しく聞きたいものがあれば、「学習への苦手意識が一番の理由だった場合、それを解消するためにどんな情報が必要ですか?」のように質問します。
今度は「学習方法」「目標設定」「勉強習慣」などが箇条書きで出てきました。ここからさらに、「勉強習慣をつけるのが苦手な人にとっての一番のネックは?」のように質問をして掘り下げていくこともできます。
どれだけしつこく質問を繰り返しても、AIなら嫌がられることはありません。相手が人間だったら「こいつウザいな」と思われるくらい、しつこく、細かく質問を重ねるのがおすすめです。
4. AIが知らない言葉は補足してあげる
ChatGPTは何でも知っているわけではありません。たとえば、「テレホーダイ終了」に関連したブログ記事の見出し案を挙げてもらおうとしたところ、要領を得ない答えが返ってきました。
あきらかに「テレホーダイ」が何なのか分からずに答えている感じですね。その場合は、テレホーダイの説明を含めて、こんな質問をします。
ダイヤルアップ接続時代の定額制サービス「テレホーダイ」が2024年にサービスを終了します。1990年代のインターネットユーザーに広く使われ、愛されていました。この話題に関連したブログ記事の見出しを、5〜6個挙げてください。
今度は、本来の内容に沿った見出し案が出てきました。
ChatGPTが質問の言葉の意味を理解できていない場合は、補足説明を加えたり、別の言葉に言い換えたりして再度質問してみましょう。
「そんなことも知らないのかよ!」と悪態をついたところで回答が改善されるわけではないので、「知らないことは、こちらから教えてあげる」という歩み寄りも必要です。
5. 嘘を見抜くのは人間の役目
ChatGPTは堂々と大嘘をつきます。しかも自信たっぷりに答えるので、油断していると信じそうになります。
たとえば、民話の「笠地蔵」にはどんな教訓があるかたずねたところ、おなじみの笠地蔵とはまったく違うストーリーと、その「教訓」が返ってきました。
笠地蔵のように、自分が予備知識をもっている話題なら嘘だと気づくことができますが、あまり詳しくない分野のビジネス用語の定義の微妙な違いなどの場合、すぐには見抜けない場合もあるかもしれません。
少しでも怪しいなと思うことは、信頼できる情報源できちんと確認したうえで使うようにしましょう。
「正解をくれる人」ではなく「隣の席の同僚」
ChatGPTは万能ではないし、仕事を丸投げできるわけでもありませんが、自分にはない新しい視点を得たり、思考を深めたりするうえではとても役立つツールです。
正解を与えてくれる先生のような存在ではなく、「いろいろ相談に乗ってくれて、こちらの仕事も手伝ってくれる(でも時々間違える)気のいい同僚」のような存在といえるかもしれません。
隣の席の同僚に「これ、どう思う?」と話しかけるような感覚で、上手に付き合っていくのがよさそうです
からの記事と詳細 ( 3ヶ月使い倒してわかった「ChatGPTを仕事で活用する5つのコツ」 - GIZMODO JAPAN )
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