■6月26日 「酒、飲めないんです」と言う前から反応はわかる。「飲めそうな顔をしているのに…」。何度、こんな会話があったか。両親の影響か、私は大の下戸。こればかりはどうしようもない。ビール一口で顔が真っ赤になる体質だが「飲めなくてよかった」と思うことがある。
例えば尼崎市の騒動だ。新型コロナウイルス対策の臨時特別給付金支給事務を委託された業者が、全市民約46万人の個人情報が入ったUSBメモリーを紛失。居酒屋で飲食後、泥酔して路上で寝込んでしまい、目覚めたときにメモリー入りのカバンがないことに気付いた。結局、24日に吹田市内のマンション敷地内で発見され、現時点で情報漏洩は確認されていないという。
会社に欠勤届を出した当事者男性は紛失報告をせず、ひとりで探していた。「尼崎のUSB」としてネットに出品した者もいた。市側の情報管理の甘さに加えて会見で職員がパスワードの桁数を明らかにした-など、酒の失敗では片づけられない問題が噴出。人間の浅はかさを痛感する。
出家女性を意味する「尼」ではなく、漁業などに従事する「海人(あま)」が地名の由来とされる尼崎。開幕前に阪神優勝を祈願して、商店街で「日本一早いマジック点灯式」が行われ、関西人から「アマ」と親しまれる活気あふれる街が、こんなことで話題になるのはツライ。
コロナ禍の中、痛飲した関係者たちは自制心が働かなかったのか。パスワードの桁数公表に違和感がなかったのか。飲んでメモリー失い(?)メモリーなくすとは皮肉なモノだ。アルコールとは無縁の人間が言うのも何だが「飲んだら乗るな」ではなく、今回の教訓は「飲んだら持つな」か…。ホント、ほどほどに、だ。(稲見誠)
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