水俣病の未認定患者の救済策で対象外とされた天草市の住民への健康調査で、主要な症状とされる「感覚障害」を訴える人が他の地域と比べて8倍以上、多かったことなどがわかりました。
調査を行った研究グループは「線引きに合理的な根拠がないことが明らかになった」などと指摘しています。
調査を行った熊本学園大学社会福祉学部の高林秀明教授ら20人余りの研究グループが17日、県庁で会見を開き結果を公表しました。
それによりますと、研究グループでは、10年前に締め切られた未認定患者の国の救済策で対象とならなかった地域の被害の実態を調べるため、不知火海沿岸の天草市倉岳町浦地区の54歳から96歳までの126世帯159人に、健康状態などの調査をしました。
その結果、水俣病の主要な症状とされる「感覚障害」について、「いつもある」と答えた住民は全体の3割以上に上り、熊本市などの同世代と比べて8倍以上多かったことがわかったということです。
また、突然体がつる症状の「からすまがり」について、2割以上が「いつもある」と答え、26倍の差があったということです。
このほか、チッソが水銀を含む工場排水を流していた昭和40年代までの食生活については、8割が地区を日常的に訪れていた行商人などから、汚染が広がっていた不知火海でとれた魚を購入して多食していたことがわかったということです。
高林教授は「衝撃的な結果で、物を握るのがやっとだったり、ちょっとした作業も難しかったりと、救済策の対象とならなかった地域でも苦しんでいる人が多くいて、線引きに合理的な根拠がないことが明らかになった」と指摘しました。
そのうえで「高齢の人が多く、一刻も早い救済が必要だ。国や熊本県には、医学的な診断も含め丁寧な実態の把握を求めたい」と述べました。
からの記事と詳細 ( 水俣病救済策で対象外の天草市住民を調査“感覚障害8倍以上”|NHK 熊本県のニュース - nhk.or.jp )
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