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Saturday, October 8, 2022

河川清掃中に発見した化石は「謎の奇獣」…全長2m、国内初の腰から首までつながった状態 - 読売新聞オンライン

 岐阜県瑞浪市釜戸町の土岐川で6月に見つかった「 束柱類そくちゅうるい 」とみられる海生哺乳類の化石は、「パレオパラドキシア」のものだったとする中間報告を、同市化石博物館が4日、発表した。過去に国内で見つかった事例は6例あるが、今回は国内で初めて背骨が腰から首までつながった状態で見つかったという。

 化石は6月5日、河川を清掃中だった地元住民が骨のようなものを見つけ、同館に連絡し、確認された。化石は約1650万年前の瑞浪層群にあったことが判明している。

 同館は6月以降の調査で新たに、歯の形や種類などの特徴から、束柱類の中でもパレオパラドキシアであることや、頭骨に歯が生えた状態で残っていたこと、全長約2メートルの成熟した個体だったことなどがわかった、としている。また、足から頭にかけての骨の周りからは、腐った肉を食べる特徴があるイタチザメの歯が見つかっており、死骸がサメに食べられた可能性があるという。

 同館の安藤佑介学芸員(39)は「今月中旬頃から、骨が岩石に埋没した状態の『産状レプリカ』の制作を始める。今後クリーニングを進め、最終的には骨一点一点を岩石から外す作業に取り組む」としている。

 中間報告に立ち会った国立科学博物館の地学研究部・生命進化史研究グループ長の甲能直樹さん(60)は「これだけいい状態で見つかった化石は珍しい。『謎の奇獣』とされるパレオパラドキシアの真実に迫ることができる」と期待を寄せた。

 瑞浪市化石博物館は、化石のクリーニングやレプリカ制作のための資金を集めようと、ふるさと納税型のクラウドファンディングを始めた。12月31日までで、目標額は2000万円。全身の復元骨格の組み立てや調査報告書の刊行にも充てるという。返礼品には「パレオパラドキシア調査報告書」(1万円)、「パレオパラドキシアクリーニング見学会」(2万円)などがある。申し込みは「ふるさとチョイス」のウェブサイトから。

 ◆ パレオパラドキシア =円柱を束ねたような歯が特徴の束柱類の一つで、約2800万~1000万年前に生息していたとされている。「太古の(palaios)矛盾した(paradoxus)生物」という意味があり、同じような骨格を持った生物が現在いないことなどから、いまだに謎が多いとされる。

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