早期の大腸がんを電気メスを使って切除する新しい内視鏡治療の効果を調べたところ、再発はほとんどなく、5年生存率がおよそ94%と高い効果が得られたと国立がん研究センターなどが発表しました。
今後、標準の治療法になることが期待されるとしています。
大腸がんは国内で患者数が最も多いがんで、転移のリスクが低い早期の場合、これまで開腹手術ではなく、主にワイヤーでがんを取り除く内視鏡治療が行われてきましたが、がんを取り切れないこともあり、再発率が10%以上と高いことが課題になってきました。
国立がん研究センター中央病院斎藤豊内視鏡科長らのグループは、2013年からの2年間に、大きさが2センチ以上の早期がんがあり、電気メスで切除する「ESD」と呼ばれる内視鏡治療を受けたおよそ1400人のその後の経過を調べました。
その結果、ESDを受けた患者の5年生存率は93.6%で、がんが再発した人は8人と0.5%にとどまり、再発した人でも内視鏡治療で切除できたということです。
研究グループは、がんの取り残しが少なく再発リスクも低いことが分かったとしていて、今後、世界的に標準の治療法となることが期待されるとしています。
斎藤科長は「患者の負担が小さいESDで多くの人が完治することがわかった。早期のがんが適用なので、検診を受診し、なるべく早くがんを見つけることが重要だ」と話しています。
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