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Friday, July 1, 2022

「たずねていい」 認知症の祖母介護、アプリに込めた8年での気づき - 朝日新聞デジタル

 四半世紀前、70代後半だった祖母、廣子(ひろこ)さんが認知症になったことが、始まりだった。

 当時20歳。家業のドールショップを手伝っていた宮崎詩子さん(45)は、両親と七つ下の妹との4人家族で、自宅で祖母の介護を始めた。

 最初からうまくいったわけではない。「無駄」もたくさんあった。

 「でも、少しずつわかったことがあります。『たずねていい』。本人に質問をすることがとても大事ということ。できるまでに8年かかりましたけど」

 祖母は「おうちに帰りたい」と言い続けていた。でもどういう意味なのか、どう聞けばいいのかもわからなかった。

 あるとき、ひょっとして子ども時代に戻りたいのかと思い、「おうちってひろちゃんのお母さん、お父さんがいるところ?」と聞くと「そりゃそうよ」と返ってきた。

 ようやく、意図していたことがわかった。

 たとえ会話が成立しなくても、聞くということは相手に興味を持ち続けることの象徴だ。

 「話しかけ、問いかけるようになった私たちに呼応して、祖母は面白くて楽しい存在に変身していきました」

 祖母は2012年、94歳で亡くなった。

 気づけば、介護した期間は15年。

 「楽しいおうち介護」「幸せなみとり」と表現する。

 しかし、在宅介護や自宅でのみとりを礼賛しているわけではない。

気が利く人、増やしたい

 「大事なのは、どこで過ごす…

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