四半世紀前、70代後半だった祖母、廣子(ひろこ)さんが認知症になったことが、始まりだった。
当時20歳。家業のドールショップを手伝っていた宮崎詩子さん(45)は、両親と七つ下の妹との4人家族で、自宅で祖母の介護を始めた。
最初からうまくいったわけではない。「無駄」もたくさんあった。
「でも、少しずつわかったことがあります。『たずねていい』。本人に質問をすることがとても大事ということ。できるまでに8年かかりましたけど」
祖母は「おうちに帰りたい」と言い続けていた。でもどういう意味なのか、どう聞けばいいのかもわからなかった。
あるとき、ひょっとして子ども時代に戻りたいのかと思い、「おうちってひろちゃんのお母さん、お父さんがいるところ?」と聞くと「そりゃそうよ」と返ってきた。
ようやく、意図していたことがわかった。
たとえ会話が成立しなくても、聞くということは相手に興味を持ち続けることの象徴だ。
「話しかけ、問いかけるようになった私たちに呼応して、祖母は面白くて楽しい存在に変身していきました」
祖母は2012年、94歳で亡くなった。
気づけば、介護した期間は15年。
「楽しいおうち介護」「幸せなみとり」と表現する。
しかし、在宅介護や自宅でのみとりを礼賛しているわけではない。
気が利く人、増やしたい
「大事なのは、どこで過ごす…
からの記事と詳細 ( 「たずねていい」 認知症の祖母介護、アプリに込めた8年での気づき - 朝日新聞デジタル )
https://ift.tt/Y2wbryU
No comments:
Post a Comment