大阪府富田林市の自宅に放置された2歳の女児が熱中症で死亡し、祖母と同居の男が保護責任者遺棄容疑で逮捕された事件で、男が調べに「部屋のエアコンをつけ、窓を開けて出かけた」と供述していることが捜査関係者への取材でわかった。大阪府警は窓が開いていたことで冷房が利かない状態になり、脱水症状を起こしたとみて経緯を調べている。
祖母の無職の女(46)、自営業の男(50)の両容疑者は、6月29日午前5時頃から午後4時頃までの11時間、女児(2)を自宅に置き去りにしたとして逮捕された。
自宅は集合住宅の3階で、女児は8畳の部屋に置かれた、乳幼児を囲う柵「ベビーサークル」(縦91センチ、横124センチ、高さ88センチ)に閉じ込められていた。室内の冷房は28度に設定されており、捜査関係者によると、男は、冷房と扇風機を稼働させて、窓を開けていたと述べている。窓を開けることで室温が上がったとみられる。
柵は女児の身長より高く、四方には板が張られていたことも判明。風通しが悪くなった可能性がある。そばに飲食物は置かれておらず、府警は、体内の水分が不足して脱水症状となり、同日昼頃に死亡したとみている。
子どもの熱中症に詳しい日本小児科医会の伊藤隆一会長は「体が小さい乳幼児は成人と比べ、水分の蓄えが少なく、脱水症状に陥りやすい」と指摘。「エアコンが稼働していても窓が開いていれば、外気が入り、さらに室温が上昇しやすくなる。夏場に水分補給ができない状態で放置されれば、数時間で命の危険につながりかねない」としている。
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府警は1日、両容疑者を同容疑で送検した。女は調べに「女児の育児で精神的にしんどかった」と供述していることもわかった。2人はたびたび女児を自宅に残して外出していたといい、府警はネグレクト(育児放棄)をしていた疑いがあるとみている。
女児は女の三男(20)の子で、両容疑者は女児のほか、女の四男(15)と五男(5)の計5人暮らしだった。五男は両容疑者の実子で、両容疑者は女児が亡くなった29日、五男を連れて、大阪市此花区のユニバーサル・スタジオ・ジャパンに車で出かけていたという。
からの記事と詳細 ( 飲食物置かず、四方板張りのベビーサークルに閉じ込め…2歳女児「熱中症死」 - 読売新聞オンライン )
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