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Friday, June 17, 2022

自己決定が幸福のカギ? 世界の事例からわかった「幸せな働き方」 - Lifehacker JAPAN

働き方が変わったのは日本だけではなく、世界も同じ。そしてさらにその先へ進もうとしています。

世界の働き方の変化から、「働きやすさとは?」を考える本企画。前編では、「週5日勤務」「1日8時間労働」の制約から解放された欧州2国の事例を取り上げました。

働き手はもちろん、経営層やクライアントにまでも好影響が及ぶことがわかりましたが、後編では独自路線を行くアメリカのある取り組みを紹介。

各国の働き方から読み解く、人々の働きやすい環境とは?

▼前編はこちら

「8時間×週5日労働やめた!」欧州が働き方を一新。何が起きた? | ライフハッカー[日本版]

「8時間×週5日労働やめた!」欧州が働き方を一新。何が起きた? | ライフハッカー[日本版]

金曜日、働くか休むかは自分次第(アメリカ)

アメリカの例としてご紹介したいのは、フレキシブル・フライデー(Flexible Fridays)

「フレキシブル=柔軟性のある」と単語が示すように、あるスタートアップは金曜日を「勤務日」「休暇日」から選択できる制度を取り入れています。

カスタマーコミュニケーションプラットフォームを運営するFrontでは、毎週金曜日の過ごし方は人それぞれ

じっくり取り組みたい仕事に着手したり、家族や1人時間に充てる人もいます。オンラインでつながっている必要もなく、各自が思い思いの時間を自由に謳歌しているのだとか。

結果:休み一択!…と思いきや?

仕事か休暇、と問われたら迷わず「休暇!」と答える人も多そうですが、実態は44%の社員が金曜日=仕事とプライベートをミックスさせる日として1日を過ごしているそう。

44.4%は通常の勤務日として仕事を、4%は1人や家族で過ごす時間に充て、そして7.6%は有給として消化していました。

ウェルビーイング、帰属意識の高まりに貢献

また、金曜日が各自これだけ多様な過ごし方になったにも関わらず、95%が「同僚たちと仕事を進める上で特段の支障はない」と回答し、89%は「この制度のおかげでより幸福な状態で働けている」とウェルビーイングの向上を実感。

さらに「少なくとも向こう2年ほどはFrontで働き続きたい」と帰属意識の高まりにも寄与する成果も見られているというのです。

同社のCEO、Mathilde氏はこう述べています。

従業員のエンゲージメントは以前にも増して高まっていると思います。元から高い状態であったとは思いますが、(取り組み以降)その変化を実感しています。

志高く働く意欲的な人であっても、バーンアウト(燃え尽き症候群)に陥る可能性は誰にでもありますからね。

「自己決定」は幸福感に強い影響を与えている

実は、このフレキシブル・フライデーのように「働き方を自分で決められる」=自己決定できる点は、私たち日本人の働きやすさを考える上でも重要な指標なのです。

2018年神戸大学の西村和雄氏らが日本人2万人に対して幸福感と自己決定に関する調査を実施。すると、所得や学歴よりも、「自己決定」が幸福感に強い影響を与えていることが明らかになったのです。

主観的幸福感を決定する要因の重要度(標準化係数)
主観的幸福感を決定する要因の重要度(標準化係数)
Image: 独立行政法人経済産業研究所

研究を率いた西村氏は、この相関関係に着目した理由を以下のように述べています。

「幸福はお金や学歴では買えないと言われます。では、何によって幸福感が得られるのかということについては疑問のままでした。健康や人間関係はもちろん重要ですが、それ以外に所得や学歴と並ぶものがあるとすれば、それは何かと考えました。

(中略)私たちは、子育て型の研究から、自立を促すことが幸福感を高めるという結果を得ていましたので、今度は子育てを通じてではなく、直接日本人の成人に幸福感を説明するようなものとして、自立と対応するような何かを変数として入れようと考えました。そこで、自己決定を変数として入れることにしたのです」(西村和夫)

幸福度を測る際、主観的な判断結果だけではその正確さに疑問が残るもの。

一方、今回は幸福感研究の文献で確立されているオックスフォード式の設問を採用し、心理的幸福感を併せて測ることで結果の信頼性を担保。

結果、同氏は「自分で人生の選択をすることが、選んだ行動の動機づけと満足度を高め、幸福度を高めている」との結論に至ったそうです。

自己決定階級別前向き志向や不安感。これらにも相関関係があることが分かる
自己決定階級別前向き志向や不安感。これらにも相関関係があることが分かる
Image: 独立行政法人経済産業研究所

この結果から、自分に合った働き方を選べる(選択肢があり、自己決定できる状態)といった柔軟性は、働きやすさ向上のための重要ポイントと言えるのではないでしょうか?

仮に組織で定められた勤務体系がある場合でも、自分でコントロールの及ぶ範囲に着目してみることで、幸福度が高める工夫ができるかもしれません。

前後編でご紹介した事例はこれまでの「1日8時間×週5日労働」という概念を軽やかに解きほぐしてくれるものばかり。

個の力、組織の力を最大限高めるためにも、これからは組織側にも働き方の選択肢を広く設け、個々に合わせて柔軟に対応していく力がより一層求められていくでしょう。

コロナ禍で訪れた働き方改革の兆し。この機会を逃さず、個人・組織ともにポジティブに活用していきたいですね。

▼前編を読む

「8時間×週5日労働やめた!」欧州が働き方を一新。何が起きた? | ライフハッカー[日本版]

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幸福感の高い500人に聞いてわかった「幸せ」になる方法 | ライフハッカー[日本版]

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Image: Getty Images, Shutterstock / Source: protocol, 独立行政法人経済産業研究所

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