袖ケ浦フォレストレースウェイでプロトタイプに試乗した(写真:トヨタ自動車)
トヨタの本格的BEV(電気自動車)「bZ4X」のコンセプトモデルに試乗して、様々な点で「トヨタのBEVに対する考え方」をカラダ全体で感じ取ることができた。
トヨタのBEVといえば、2021年12月14日に東京お台場で開催された、「バッテリーEV戦略に関する説明会」が記憶に新しい。
豊田章男社長が「bZ4X」を筆頭にクロスーオーバーやセダンなどbZシリーズ4モデルと、商用車、小型オフローダー、ピックアップトラックなど7モデル、さらにスーパースポーツを含めたレクサス4モデルと、合計16ものBEVを一気に公開。トヨタの将来像を“見える化する”という、前代未聞の演出がメディアを通じて大きな話題となった。
数値目標についても「2030年にグローバルで(年間製造販売の)新車350万台をBEVとする」ことを明らかにしている。
その発表から約2ケ月が経過し、2022年央の発売を予定するbZ4Xのプロトタイプを、袖ケ浦フォレストレースウェイ(千葉県袖ケ浦市)で走らせることができた。あくまでもプロトタイプであり、量産に向けてさらなる調整が加わる可能性があるが、内外装、動力系、基本的なシステムなどは“ほぼ量産車”だ。
インパクトはあるが“特殊なクルマ感”はない
ピットエリアにズラリと並んだ実車を見ても、あまり“特殊なクルマ感”は強くない。デザインテイストは、近年のトヨタやレクサスのSUVの仲間といった雰囲気だ。
サーキットのピットロードで走行を待つ「bZ4X」プロトタイプ(筆者撮影)
ボディ寸法は全長4690mm×全幅1860mm×全高1650mm(アンテナ含む)で、ホイールベースは2850mm。SUVの「RAV4」と比較すると、全長が95mm増、全幅が20mm増、全高は60mm減、そしてホイールベースは160mm増とかなり大きい。
ホイールアーチ部分につくブラック加飾のインパクトが強いため、ボディカラーによってクルマ全体の印象が大きく変わる。特に目立つのが、ホワイトベースの外装色であり、町中ではかなり人目を引きそうだ。
インテリアはいわゆる“コックピット感”が強いが、運転席からの見切りはよい。
遠めに設置されたメーターディスプレイが特徴的なインテリア(写真:トヨタ自動車)
0次安全(視界性能)を重視するスバルとの共同開発ということもあり、フロントドアには大きな三角窓が描かれ、交差点などでの一時停止時の視界性能を確保していることも、見切りのよさにつながっている。
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