南太平洋の島国トンガで15日に発生した大規模噴火で、地球を周回する特殊な強い空気の振動「大気波動」が観測されていたことが東京大地震研究所の調査でわかった。火山噴火での確認は、近代的な観測が始まった1980年代以降では初めて。気圧を上昇させ、津波を生じさせた可能性があるという。
この大気波動は「Lamb(ラム)波」と呼ばれ、噴火の熱で火山周辺の空気が膨張したことにより発生したとみられる。音速より少し遅い秒速約310メートルで進み、減衰しにくく遠くまで届くのが特徴だ。噴火の規模が大きい場合に生じることがあり、過去には1883年のインドネシア・クラカタウ火山噴火でも発生したとみられている。
トンガの噴火後、同研究所の西田
噴火は日本時間15日午後1時頃に発生。日本では同日午後7~9時頃、各地で2ヘクト・パスカル程度の気圧上昇が観測された。気圧上昇はラム波通過が引き起こしたとみられており、この頃から各地で潮位上昇が観測され始めた。ラム波が海面を押して小さな波を作りながら移動し、その波が日本付近で集積して津波になったとみられる。日本の津波観測は気象庁の予想到達時間より約2時間半早く、午後11時半以降になると津波はさらに高くなった。
同研究所の佐竹健治所長は「ラム波を含む大気波動が要因の津波が先に日本に到達し、その後、海底地形の変化などが要因の津波が届いて重なったのではないか」と分析している。
からの記事と詳細 ( トンガ噴火後、「大気波動」が地球を周回…気圧上げ、津波を生じさせた可能性 - 読売新聞 )
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