新型コロナウイルスの感染拡大で、全国の自宅療養者が10万人を超えた。流行している変異株「オミクロン株」は重症化しにくい傾向があるとされ、入院せずに自宅で療養する人が日々増えている状況だ。感染力の強さから隔離などを行うことが難しく、家庭内感染や再感染が相次ぐ事態となっている。(古屋祐治、米山理紗)
東京都内の戸建て住宅で、妻と息子(9)、娘(6)の4人で暮らしている40歳代の会社員男性の一家では、今月18日に息子のコロナ陽性がわかった。息子は2階で、残る3人は1階で過ごしていたが、22日に娘の感染も判明。男性は「できる限りの対策をやったつもりだが……」と嘆いた。
息子は2階で一人で食事を取り、2階にあるトイレも息子専用に。1階で過ごす3人は室内でもマスクを着用し、動くたびに除菌シートで周囲を拭くなどの対策を取ってきた。
ところが、まだ幼い娘は兄と遊ぼうと寝室に入ってしまうこともある。また、保健所からもらったマニュアルでは、感染者が最後に風呂に入って風呂を洗うことになっているが、小さな子供には難しく、結局、自分か妻がやった。
娘は親と離れて寝ることができないため、ゴミ袋をテープでつないだ「カーテン」で娘と自分たちの布団を仕切って寝ている。「家の中で感染を防ぐのは限界がある」。男性は疲れた様子で話した。
コロナワクチンの2回接種を終えた人が、再感染するケースも出ている。
東京都千代田区の会社員の男性(27)は、2020年夏、出張先の福岡県で感染が判明し、宿泊療養施設に入った。この時は、39度近い熱が1週間続き、せきが止まらず、味やにおいも感じられなくなった。味覚や嗅覚が戻るまでに2か月かかったといい、男性は回復後、飲み会や人混みを避け、マスクや手指消毒を徹底。昨秋にはワクチン2回接種も済ませていた。
それでも、今月17日に発熱し、検査で再び陽性と判明したため、自宅療養に。最初の感染時とは違い、吐き気が数日続いた程度だというが、男性は「またコロナにかかるとは思わなかった。どこで感染したのか全くわからない」と、感染力の強さに驚いていた。
自宅療養者の急増で、検査の遅れや宿泊療養施設の不足が生じ、それによって家庭内感染が広がるという「悪循環」もみられる。
夫と子供4人(13~25歳)と暮らす沖縄市の事務職女性(53)の家では、今月に入り、女性以外の感染が次々と判明。2週間以上、家族の誰かが自宅療養をしている状態が続いている。
初めに症状が出たのは次女(23)で、4日に発熱したが、PCR検査センターはどこも予約がいっぱいで、感染が確定したのは発熱から3日後。ホテルでの宿泊療養を希望したが、県の窓口では「空きがない」と断られた。食事の時間をずらすなどしたものの、数日おきに女性以外の家族4人の感染が判明していった。
女性は「次女が宿泊療養施設を利用できていれば、違ったかもしれない。感染者急増で対応が難しいのはわかるが、やるせない思いだ」と語った。
からの記事と詳細 ( 隔離に四苦八苦、自宅療養急増10万人…ゴミ袋で「カーテン」・家庭内で「悪循環」 - 読売新聞オンライン )
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