ついに、ニュルを走る
「イット・ワズ・ソウ・ファン! イット・ワズ・ソウ・ファン!」
RS6から降りた私は、今回の取材をアレンジしてくれたクワトロ社のセバスチャンにそう言った。興奮していて、声が大きくなった。何回言っても伝わらなさそうで、4回も言った。それぐらい面白かった。
名にし負うニュルブルクリンク・ノルドシュライフェ(北コース)、日本での通称「ニュル」をアウディが誇るミドシップ・スーパー・スポーツカーのR8と、史上最強のステーションワゴンのRS6で走った! それも、今年のル・マンでV12ディーゼルのレーシング・カー、R10を駆り、見事4位に入賞したアウディのワークス・ドライバー、マイク・ロッケンフェラー選手に先導してもらって! ああ、こんな幸せがあっていいのか。
ニュルブルクリンク北コースは全長20.8km。いまをさる80年以上前の1927年につくられたため、現代の安全重視サーキットとは違って、文字通り山あり谷あり、ブラインドあり。
「あまりにコースが長いため管理しきれない。冬を越すと路面の状況も変わる。シーズン中でも修復するから、どこでなにが起きるかわからない。山間部だから、最初の1kmはドライ路面でも、1km先は雨でアクアプレーンが起きたりする。すごくむずかしい。気を抜くとアブナイ」
そう語るのはクワトロ社の契約開発ドライバー、フランク・スティップラー、愛称スティッピー。その恐ろしさはかのジャッキー・スチュワートをして「グリーン・ヘル」と呼ばわしめた。だからこそ、世界中の自動車メーカーが開発の聖地としてニュル詣でにやってくるわけだ。
実際、ロッケンフェラー選手に引っ張ってもらったにもかかわらず、メチャクチャ、コワかった。ブラインドに140km/hで突っ込んでいかねばならないのだ。もちろんロッケンフェラー選手の後だから大丈夫なのである。でもコワい。
ブラインド・コーナーは下りながら曲り、上りながら曲がる。いや、ブラインドでなくたって、下りのコーナーはおっかない。ストレートだって油断ならない。えんえん容赦なく下って、クイッと曲がる。上りは上りで、一瞬フロント・スクリーンに空が広がる。
からの記事と詳細 ( 「ウチの役員はちゃんと乗れるひとばかり」 アウディのスペシャル部門、クワトロ社の凄さがわかった! R8&RS6 ... - ENGINE WEB )
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