AIは頭が良くないという科学者たち
最近、AGI(Artificial General Intelligence:人工汎用知能)について多くの議論があります。人工汎用知能は将来のある仮定時点で、AIアルゴリズムが現在人間がおこなっているほとんどの仕事を担っているようになるとされています。この理論が実現すると、人工汎用知能の出現により社会は根本的に変化し、人間がほとんどの重労働をロボットに任せながら一日中楽しんで座っている「ポストワーク」の時代を迎えるということになります。
しかし、MetaのトップAI科学者Yann LeCun氏による最新の研究によると、人工知能が私たちがロボットに全部任せて何もしないでいい生活にさせてくれる日が来るのはまだまだ先のことだそうです。
LeCun氏が最近公開した論文で、AIは人間よりも重要な点でかなり頭が悪めと指摘されています。
人間には当たり前のことが、AIには難しい
この論文は、Hugging FaceやAutoGPTなどのAIスタートアップの研究者などから構成された研究チームによって共同執筆さています。この論文では、AIの汎用的な能力が平均的な人間と比較した結果がまとめられています。能力を測定するために、研究チームは一連の質問を作成。こういった質問は「概念的には人間にとって簡単でありながら、ほとんどの高度なAIにとっては難しいもの」だったそうです。
質問は、人間とOpenAIの最新の大規模言語モデルGPT-4に搭載されたプラグイン版に渡されます。「推論、マルチモダリティ処理、ウェブブラウジング、一般的なツールの使用能力など、基本的な能力が必要な実世界においての質問対するAIプログラムの反応」をテストしました。
AIは想像力を働かせることができない
研究チームがおこなった質問にLLM(Large Language Models)が回答するためには、情報を確認するなどいくつかの手順を踏む必要があります。
たとえば、ある質問では、LLMに特定のウェブサイトを訪れ、そのサイトの情報に関する特定の質問に答えるよう求めています。
他には、プログラムは写真の中の人物に関連する情報を検索するために一般的なウェブ検索をする必要がある質問などです。
結果ですが、LLMはそういった一連の作業がうまくできませんでした。
実際、研究結果では大規模言語モデルは複雑な実世界の問題解決シナリオにおいては、人間と比べて劣っていることがわかりました。
結果報告書には「人間にとって難しいタスクには成功する一方で、もっとも能力のあるLLMはGAIA(Generalization in Artificial Intelligence and Agents)での成績は不振な結果となりました。もっとも簡単なタスクに対しても、GPT-4は30%の成功率を上回らず、最も難しいタスクでは0%という結果でした。一方、人間の回答者の平均成功率は92%でした」と書かれています。
かなりの差が出ていますね。
AIの知能は猫と同じかそれ以下
研究チームは「私たちは、人工一般知能(AGI)の到来は、システムがこのような質問に対して一般的な人間と同様の能力が発揮できるかどうかにかかっていると仮定しています」と今回の研究を結論づけています。
LeCun氏は近い将来AGIが開発される可能性について前のめりなAI科学者とはちがった立場をとっています。Metaの科学者も最近のXでの投稿で、現在の技術の能力に対してかなり批判的な意見で、AIは人間の能力には程遠いと主張しています。
LeCun氏は次のようにXに投稿しています。
「少なくとも2016年以来、私はずっとAIシステムは自分たちの行動の結果を予測できるような内部モデルを持つ必要があると主張してきました。
現在の自己回帰型LLMにはこの能力からはかけ離れています。したがって人間レベルの知能には程遠いものです。
実際、AIの物理世界の理解の不足と計画能力の不足によって、AIが猫と同じレベルの知能だということになります。人間レベルとは比べ物になりません」
からの記事と詳細 ( 人間、賢すぎ。あるIQテストでわかったこと - GIZMODO JAPAN )
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