夢だったGoolgeでの仕事を翌週に控えた日、私はとてつもない恐怖心に襲われました。というのも、自分がそこで働くのにふさわしいということだけでなく、トップレベルの人材であるということを周りに証明したかったからです。
がむしゃらに働き、どんな任務も受けて立ちさえすれば、私の能力が上司や同僚に疑問視されることはないだろう、上位10パーセントのハイパフォーマーとして認識されるだろう、と考えていました。
心身の健康で上位10%を目指す
あれもこれも引き受けて働いた結果、2年目が終わるころには、一週間の終わりには何も考えられず、疲れ果ててしまうようになっていました。
仕事自体は好きだったものの、あまりにも疲労困憊して、土曜日にはベッドに寝転がって『SUITS/スーツ』のドラマをイッキ見して、また週明けを迎えるだけの繰り返しになっていました。
ハイパフォーマーとして上位10パーセントに入る努力ではなく、心身の健康で上位10パーセントに入りたいと望むようになりました。ポモドーロ・テクニックでさらなる効率化を図ったり、徹夜をしたりするのではなく、自分の健康に気を配るべきだったのです。
今回は、プロフェッショナルの方や学生さんたちがキャリアの初期段階で実践するよう、私が近年指導している健康的な習慣を5つご紹介しましょう。
これらを日常生活に取り入れたことで、私自身、短期的な目標達成に留まらず、仕事でもプライベートでも長期にわたってパフォーマンスを維持することができるようになりました。
1. 元気のもとを見つけて大事にする
以前は休憩を取る自分が非生産的に思えて罪悪感を感じていたものです。小説なんか読んでいる暇があったら、業界の最新ニュースのひとつでも分析するべきだ、HIIT ワークアウト(High Intensity Interval Training、高強度インターバルトレーニング)の方がカロリー燃焼が多いんだからヨガなんてムダだ、とも。
このとき私が見落としていたもの、それは、このような一見「生産性の低そうな」ことが自身のパワーチャージにつながり、いかに有益であるかということでした。小説は新しい視点をもたらしてくれるうえに、楽しい。
ヨガをしているときはリラックスして、ケータイからきこえる雑音から離れてひとときの平穏を味わうことができる。趣味がもたらしてくれるエネルギーは、私の精神やからだを満たしてくれるのです。
どんなことが力を与えてくれるかを見つけるのも大事ですが、同様に重要なのはそこに優先的に時間をかけてもいいんだと自分に言い聞かせることでした。ジムに行く前にもう一本だけメールを、とはじめたらあれこれに巻き込まれてしまい、結果的にジムに行くエネルギーがなくなってしまう、ということにもなりがちです。
いつどんなふうに私がパワーチャージを必要としているのかは他人にはわからないので、今では、邪魔されない自分の時間を意図的に作るようにしています。
朝いちばんに読書20分間とストレッチをして、一日の終わりには屋外でアクティブに過ごしたり友人に電話したりするようにしています。
世の中が私の時間を必要としているなかで、こうすることで私は自分のエネルギーをガードしているのです。これができるのは自分しかいませんから。
2. 情報は意図的に取捨選択する
子供のころは読書が大好きでした。ところが、高校や大学の先生が読書課題を出さなくなり、本を読むように言われなくなったころから、自分が消費しているコンテンツについて深く考えることがなくなり、気晴らしに何時間も際限なくスクロールすることに気を取られるようになっていきました。
「You are what you eat」(体や心の健康は、毎日何をどう食べたかで決まるということわざ)とも言われるように、何を読んでいるかで私自身が形づくられる、ともいえるでしょう。そこで私は、「情報ダイエット」で自分の頭の中にインプットするものを厳選することにしました。
まず、自分の情報源を精査し、本やニュース、SNSのなかから取り込みたいものだけを厳選、環境科学やジャーナリズムなど、ずっと学びたいと思っていたトピックを選び、人間行動学や幸福感に関するポッドキャストなど、個人的に好きなものも好んで聴きました。
3. 自分の価値観は毎年見直す
20代半ば、私はキャリアの選択をめぐって悩んだことがあります。まもなく昇進できそうだから今のチームに留まるべきか。それとも、心機一転、新しい仕事を求めて海外へ行ってみようか。自分のなかにある相反する価値観、何を重要と捉えるか、が決断を難しくしていました。
「人は、模倣を通じて自分の社会のしきたりを踏襲していくように、他の人が求めているものを自分も望むように学習していく」と言ったのはルーク・バージス教授ですが、 私もまた、昇進昇給といった、周囲の人が望んでいるものを求めていました。
と同時に、新しい挑戦に挑み、自分の成長につながることに投資したいとも望んでいました。
私の持つ価値観はいずれも、数十年にわたって献身的にひとつの会社で勤めあげた両親や、サバティカル休暇を取って世界を旅した友人、彼らが結婚したり子供を持ったりする時期など、さまざまなことに影響を受けて形成されたと言えます。
自分にとって本当に重要なことと他人からみて重要に見えることの違いを認識し、自分自身の持つ価値観を深く顧みる必要に迫られました。
自分が何かを学ぶこと、そして自分を成長させる経験をなぜ望んでいるのかを理解するため、私は、3カ月の間、毎朝日記を書いてみました。キャリアの成長と収入のバランスについてどう考えているか、いろんなメンター(キャリアの助言者)に尋ねたりもしました。
他人が思うような「マイナス面」があることを差し引いても自分は新しいリスクに挑戦することを優先したいということが自分の価値観を振り返ってみて納得できたのです。半年後、私は新しい仕事のために外国へ発ちました。
年を追って成長していくなかで、自分の価値観を再確認・アップデートしていくことで、住みたい場所や仕事に関する私の意思決定の方法が明確になっていきました。今でも不安を感じ、自分のしていることがはたして自分にとって正しいのかどうか疑問に思うこともあります。
でも、常に学び続けるという自分の価値観を思い出して確信することで、その不安は静まっていくのです。
4. 人づきあいを一から作り上げる
大学卒業後、サンフランシスコに引っ越した当初は、職場の同僚や学生時代の友人など、会いやすくて身近な人たちが私のつきあいの中心を占めていました。その1年後、私はひとりも知り合いのいない国に引っ越しました。
この再出発で、ゼロから新しいコミュニティを築くことを余儀なくされ、このとき初めて、どんな人と付き合いたいかを考えるようになりました。
友人の友人に積極的に会うようにしたり、紹介してもらうよう頼んだり、講義で新しい人に知り合ったりもしました。
脚本書きに初めて挑戦している人や、コミュニティが抱える課題を解決しようとしている人など、見習いたい人に出会ったときは、必ず連絡を取るようにもしました。彼らの生き方に触れることが、自分自身を向上させる機会になりました。
作家ジム・ローンがかつて述べたとおり、「人は、いちばん長い時間を共にする5人の人間の平均値になっていく」のです。 以来、引っ越した先々で、また何年も住んでいる町でも、一から築き上げていくという心づもりで、自分によい刺激を与えてくれる人々を求めていくようにしています。
5. ルーティンを試してみる
私は、毎朝、席に着いてすぐてきぱきと仕事に取りかかれるものだと長い間信じていました。ところが、頭を創造的な思考モードに切り替えたり、手つかずで放置していた問題にとりかかったりするのはそう簡単ではありませんでした。自分のパフォーマンスにとってルーティンというものがどれだけ大事かをよくわかっていなかったのです。
そこで、どんなルーティンが自分には向いているか、試行錯誤してみました。生産性向上ツールもいくつか取り入れてみましたが、最終的には紙と鉛筆を使ったタスク管理に落ち着きました。
一日の仕事に取りかかる前に、解決しなければならない大きな課題やメールの返信のような細かい作業に優先順位をつけ、集中力が必要な作業を行うときは、ケータイは引き出しにしまって、コンテキストスイッチ (タスク間で注意を向ける対象を切り替えること)を減らすようにします。
いちばん苦手な仕事を一日の最初に持ってくることで、その日の活動にはずみをつけたりもします。ちょうど試合前のアスリートが決まったルーティンを行うように、私も最高のコンディションで仕事できるようなルーティンを編み出しました。
ひたすら努力することがより良いパフォーマンスにつながるとは限りません。今回ご紹介した健康的な5つの習慣、私だけでなく、私の学生やクライアントの方々も心身のケアへの効果を実感しています。
私自身、過密スケジュールで手一杯になったときばかりでなく、朝、目が覚めたときから一日の終わりにケータイを置くまでこれらを実践していて、自分自身がさらに向上していくために、こうした習慣やルーティンは欠かせないと感じています。
どんな習慣にも言えることですが、健康的な習慣を築くには時間がかかりますが、自分に合ったものを見つけること、最初の一歩は、そこからはじまります。
Originally published by Fast Company [原文]
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