米国では、民主党と共和党の2大党員による相手党員に対する否定的な見方が広がっていることがシンクタンクの調査でわかった。
米国シンクタンクのピュー・リサーチ・センターが8月9日に発表した世論調査結果民主党員、共和党員の相手の党員に対する見解などに関する世論調査結果(注1)によると、共和党員の72%が民主党員を一般の米国人より「不道徳的」「不誠実」とみている。一方、民主党員の83%が共和党員を一般の米国人より「閉鎖的」とみており、64%がより「不誠実」、63%がより「不道徳」とみなしている。この数値は2016年以降に各項目で10~20ポイント程度上昇しており、相手の党員に対して否定的な見方が広がっていることがわかる。
共和党員で民主党を「大変好ましくない」とする割合は、1994年の21%から62%に、民主党員で共和党を「大変好ましくない」は17%から54%に、いずれも大きく上昇している。
また、2大政党以外の政党の存在が望ましいと思うのは38%(「極めて思う」21%、「非常に思う」17%)に達した。無党派層では、2大政党以外の政党の存在が望ましいは48%(「極めて思う」29%、「非常に思う」19%)に達した。
各党の特徴に関する設問では、「立場が極端すぎる」とみる割合は共和党が62%と、民主党(55%)をやや上回った。「支持する政策が人々の生活に干渉し過ぎる」については、民主党が54%と共和党(50%)をやや上回った。「さまざまなタイプの人を尊重し、寛容である」に関しては、民主党が57%と、共和党(38%)を大きく上回った。
同センターが8月5日に発表した選挙制度に関する世論調査結果(注2)では、米国の大統領選挙における選挙人制度(注3)を変更すべきと63%の人が回答しており、直接選挙を望む人が多数との結果だった。現在の選挙人制度では、州別の選挙人数が集計されるため、一般投票の得票数が選挙結果に反映されないことがある。2016年の大統領選挙ではヒラリー・クリントン氏の一般投票の得票数はドナルド・トランプ氏より多かったが、トランプ氏の選挙人獲得数がクリントン氏を上回って勝利している。支持政党別では、民主党支持者の8割が変更を求める結果だったが、共和党支持者は42%と半数に満たなかった。
(注1、2)実施時期は6月27日~7月4日、回答者は全米の成人6,174人。
(注3)州ごとに割り当てられた538人の「選挙人(elector)」によって選ばれる制度。
(松岡智恵子)
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