米国保険業界の関連団体である米国道路安全保険委員会(IIS)は6月23日、「部分的な自動運転およびハンズフリー機能に対する消費者の要望」と題する報告書を公表した。本報告書は、週に最低1回は運転する21歳以上の米国在住者1,010人を対象に、2021年9~10月に実施したオンライン調査の結果をまとめたもので、3つの自動運転機能に対するドライバーの嗜好(しこう)が明らかにされた。
車線維持支援システムについて、回答者の80%が同システムの利用を好ましく思っている一方、車線維持に際してハンズフリー(27%)よりもハンドル操作が必要なもの(36%)を好む割合が高いことがわかった。自動車が走行する車線内の中央付近を維持するに当たってハンドル操作が必要でない場合、62%は「運転に対してよりストレスを感じる」と答えたほか、「運転以外の行動が増えてしまう(飲食、メール、整容、同乗者との会話など)」(61%)、「気が散る」(56%)といった回答も、「快適性を感じる」(50%)という前向きな回答より多かった。
危険運転や事故を防止するドライバー監視システムについては、車線維持にハンドル操作が必要な車両の運転に際して、70%がステアリングセンサー(注)を支持しており、車載カメラで手の動きを監視(59%)、あるいはドライバーの視線を監視(57%)するシステムよりも人気が高かった。また、車線維持支援システムの利用を希望しない者の約半数が、どのような支援システムを利用する場合でも、ドライバー監視システム、特に車載カメラによる監視システムに不快を感じると回答した。
自動車線変更システムに関連して、88%が「車線変更時、死角に他の車両がいたら警告してほしい」と回答した。また、73%は何らかの自動車線変更システムの利用を希望している一方、同システムが車線変更のタイミングを判断する車両主導型(14%)よりもドライバー主導型(45%)を好むことがわかった。
この調査結果に限っていえば、米国在住のドライバーは一般的に、自動運転機能に好意的だが、システムに全ての操作を任せず、部分的な支援を望む傾向にあるとみられる。
(注)一般的にハンドルと呼ばれる、ステアリングにセンサーを装置することで、ドライバーが安全に運転できる状態かどうかを監視する。
(片岡一生)
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