北海道・知床半島沖で乗客乗員26人を乗せた観光船「KAZU I(カズワン)」が沈没した事故で、運航会社「知床遊覧船」(北海道斜里町)の桂田精一社長(58)はカズワンの航行中、同社の運航管理者にもかかわらず、規程に反して営業所にいなかったことがわかった。代わりの運航管理補助者も置いていなかった。航行ルートの13地点でカズワンから気象状況の「定点連絡」を受けることも怠っていた。
桂田社長は乗客の家族らを対象にした説明会で資料を配り、海上運送法で作成と国土交通省への届け出が義務づけられている「安全管理規程」と、それに基づく「運航基準」に複数違反していたことを明らかにした。「基準通りに運航を行っていれば、事故の発生を回避できた可能性はあった。自覚が足りなかった。私の落ち度」と安全管理の不備を認め、謝罪した。
国交省によると、同法は安全統括管理者と運航管理者を選任し、権限や責務を定めるよう求めている。運航管理者は航行中の陸上の責任者で、海上の責任者の船長と安全管理を担う。配布資料では、同社の安全統括管理者と運航管理者は桂田社長が兼務していた。
同社は、航行ルート上の13地点で船長が風速や波の状況などを運航管理者に連絡すると定めていた。しかし、桂田社長は事故当時、病院にいた。営業所にいた社員には無線の故障を伝えず、携帯電話で豊田徳幸船長(54)と連絡を取ることも指示していなかったという。
【桂田社長が挙げた落ち度】
▽船長が所定の13地点で、運航管理者に波の状況などを連絡していなかった
▽航行中、自身は運航管理者として営業所にいる必要があるが、病院に行っていた
▽運航管理者の代理となる運航管理補助者もいなかった
▽無線が故障していたが、携帯電話で船長と連絡を取るよう営業所の社員に指示していなかった
からの記事と詳細 ( 観光船社長、航行中に営業所不在…多数の落ち度認め「基準通りなら事故回避できた可能性」 - 読売新聞オンライン )
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