俳優の阿部顕嵐が26日、東京・新宿バルト9で行われた映画『ツーアウトフルベース』の公開記念舞台あいさつに出席。映画初主演を務めた本作を公開初日に劇場で鑑賞したことを明かすと、「空気が振動する感じがわかって良かった」と嬉しそうな様子を見せた。
本作は、部内で起きた不祥事により夢の甲子園出場が取り消されてしまい、転落人生を歩む元高校球児二人の人生最悪の1日を描く青春ドラマ。次から次へと訪れるピンチに翻弄される主人公のイチを阿部、相棒のハチを板垣瑞生が演じる。この日の舞台あいさつには阿部、板垣のほか、共演者の工藤遥、後藤剛範、本作の企画プロデュースなどを手がけた新羅慎二、メガホンを取った藤澤浩和監督も登壇した。
公開初日にこの劇場で本作を観たという阿部は「昨日この場所で、静かにみなさんにバレないように、気がつかれないように気をつけながら同じ空間で観ていました」と振り返り、「こんなご時世で（声を出しにくいので）反応はわかりにくかったんですけど、映画を観て笑ってもらったり、空気が振動する感じがわかって良かった」と嬉しそうに話す。
板垣も「（ハチャメチャな）この映画が世に出ていいのかっていう不安はあった。でも（役者として）表現できる、みなさんに（表現したものが）伝わる機会があるのは嬉しい。めちゃくちゃ全力で遊んでいたので、それがみなさんに伝わればと思います」と思いを語った。
元野球のマネージャー・早紀役の工藤は「撮影期間中もいろいろあった。完成が見えない時期もあったので作品を送り出せて嬉しい」と喜ぶ。さらに、阿部や板垣の演技について「二人のバディ感ができ上がっていた」と述べ、「だからわたしもすっと同級生として撮影に入ることができた。安心感がありました」と絶賛した。
撮影中も三人は仲が良かったそうで、新羅いわく阿部、板垣、工藤は撮影の合間によく写真を撮り合ったりしていたという。そんな三人の撮影や、写真の撮り合いを振り返った阿部は「まだ世に出ていない写真がたくさん」と笑顔を見せた。
また、阿部は劇中の印象的だったシーンについて「全員集合の駐車場のシーンは何も聞かされていなくて、台本を読んでもこの通りにはいかないだろうなというシーンで、（強面の）ヒロポン（後藤）のアドリブを生で受けて楽しかった。めちゃくちゃ怖かったんです」とコメント。本作についても「この映画を観て1日1日を大切に思ってもらえたら」と作品に込めた思いを語っていた。（取材・文：名鹿祥史）
映画『ツーアウトフルベース』は公開中
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