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Wednesday, September 1, 2021

京急久里浜駅ホームの視覚障害者事故 車掌見送りと見間違えか|NHK 首都圏のニュース - NHK NEWS WEB

ことし7月、神奈川県横須賀市の駅のホームで、視覚障害者の男性がドアに手を挟まれたまま電車が発車しけがをした事故は、男性が車体に触れてドアの場所を探していたのを、車掌が見送りで手を振っていると見間違えた可能性があることが国などの調査でわかりました。
国は再発防止策を検討することにしています。

ことし7月、横須賀市の京急久里浜駅のホームで、電車に乗ろうとしていた視覚障害者の60代の男性が、ドアに手を挟まれたまま発車した電車に引っ張られて転倒し、頭や腰にけがをしました。
国土交通省や京急電鉄がホーム上のカメラの映像を確認したところ、男性が手を左右に動かしながら車体に触れていた際にドアが閉まり、手が挟まる様子が映っていたということです。
国土交通省によりますと、視覚障害者が電車に乗る際、ホームからの転落を防ぐため、車体に触ってドアを確認することが多く、男性も手でドアを探していたとみられるということです。
一方、車掌は調査に対し「ホームから手を振って乗客を見送る人がいると思い、電車から離れるように放送した」と話していて、男性が見送りで手を振っていると見間違えた可能性があることがわかったということです。
国土交通省は、2日開かれる検討会で、こうした事故の再発防止策を検討することにしています。

去年、東京・江東区の東京メトロの東陽町駅で、ホームに電車が止まっていると勘違いしたとみられる男性が転落するなど事故が相次いだことを受け、国土交通省は視覚障害者が手などで電車の車体を触ってドアを探すのは、必要な動作だとしています。
視覚障害者の男性は「確認のために乗車に時間がかかってしまうので、停車時間が短い駅などでは、指を巻き込まれたり、つえを挟まれたりすることははあるので、乗務員も理解していただきたい」と話していました。
また、別の視覚障害者の女性は「同級生が、つえがドアに挟まってしまったことがあるので、今回の事故は怖い。電車の入り口が分からない時にひと声かけてくれると安心なのでお願いしたい」と話していました。
視覚障害者に安全な鉄道の利用方法を指導する「歩行訓練士」の小倉芳枝さんは「健常者が無意識でやっている、ドアを目で見て電車に乗るという行動は、視覚障害者にとっては安全確認のために非常に神経を使うことで、時間がかかることも多い」としたうえで、「車体に近づいてからドアを探すなど、見えている人とは違った動作をしていることがあることを知り、気軽にお手伝いの声をかけていただくことが事故を防ぐことにつながる」と話していました。

東京メトロ東西線の高田馬場駅は、点字図書館などがあるため、視覚障害者が利用することが多い駅で、視覚障害者がホームドアを白じょうでたたいて開く場所を探したあと、車体のドアの縁を手で触るなどして安全を確認しながら、電車に乗る姿が見られました。
東西線は10両編成で、車両の長さは200メートルになるため、ホームに6台のカメラを設置して、最後部にいる車掌がモニターで乗り降りする人を確認しています。
ただ、ホーム上にいるのと違い、モニターの画面上では、夕方のラッシュなどの際に混雑する別の乗客と重なって視覚障害者の動きが見えづらくなる状況も見られました。
このため、東京メトロでは視覚障害者の利用が多い駅では、ホームで安全を確認する駅員を増やしたり、改札を通る際に声をかけ、安全に乗車を終えるまで見守る対策を取っているということです。
モニターでの安全確認は、首都圏の多くの鉄道会社でも行われていて、今回、事故があった京急久里浜駅でも導入されていましたが、ドアに手が挟まった視覚障害者の男性を車掌が見落とし、ホームで乗車を見守る駅員もいませんでした。

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