スマートウォッチとアナログ時計のいいとこどり「ハイブリッドウォッチ」の最上位モデルの実力は?
撮影:小林優多郎
コロナ禍の外出自粛で、どうしても気になってくるのが自分の体調だ。
毎日同じような場所で同じような仕事をし続けると、どうしても運動不足、睡眠不足などに悩まされる。
とはいえ、どのぐらい自分は運動しているかなどは主観的には把握しづらい。そこで、客観的な“目安”になるデータをとるために、フランスのウェアラブルブランド・Withings(ウィジングス)が発売中のハイブリッドウォッチ「ScanWatch」を手に入れて使い始めた。約3カ月日間(84日間)使ったレポートをお送りする。
- Amazonや家電量販店などで発売中。
- Amazonでの通常価格は38mm幅が3万6240円、42mm幅が3万8490円。
- それぞれに文字盤の色違いでブラックとホワイトがある。
- 以下、写真は42mm幅のホワイトモデル。
独自センサー搭載でより細かな活動量を計測
正面のガラスはサファイアガラスを採用。最低限の装飾の文字盤は独特の雰囲気をかもし出している。
撮影:小林優多郎
ScanWatchは、スマートウォッチの中でも少し特殊ないわゆる“ハイブリッドウォッチ”と呼ばれる製品だ。
ハイブリッドウォッチはその名のとおり、従来のアナログ時計の長所(針や圧倒的に長い駆動時間)とスマートウォッチの便利さ(活動量計やスマホ連携機能など)を組み合わせた製品のことだ。
独自のPPG(光学式心拍)センサーを備える。
撮影:小林優多郎
とくに、Withingsはこれまで複数のハイブリッドウォッチを手がけてきたが、ScanWatchは2020年10月に日本上陸したハイエンド機種。最大の特徴は独自のPPG(光学式心拍)センサーを搭載している点にある。
従来機でも心拍数の記録などは可能だったが、ScanWatchでは新たに心拍の急激な変化を検知・アラートする機能や、睡眠中の呼吸の乱れを検知できるようになっている。
iPhoneおよびAndroid向けアプリ「HealthMate」で、睡眠時心拍数や呼吸の乱れなどを確認できる。
画像:筆者によるスクリーンショット
もちろん、ScanWatchは医療機器ではないため、これらの得られる数値はあくまで目安にすぎない。とくに日本では各許認可の関係上、ECG(心電図)計測機能とSpO2(血中酸素飽和度)計測機能はオフになっている。
“スマートウォッチ”の代表格であるところの「Apple Watch」は第4世代以降の機種で1月22日のアップデートでECG計測などに対応したところを見ると、Withingsがアップルと同様の許認可を受ければ実行可能になる可能性はあるが、現時点では機能的には一歩譲る、ということになる。
実測平均20日は持つ実用度は高い
睡眠状態はスコア化されるほか、各要素ごとに詳細を確認できる。
画像:筆者によるスクリーンショット
結果から言うと、ScanWatchを装着していた84日間の使い心地は非常に快適だった。
筆者はもともと、(Androidスマホを使っていることもあり)Fossil(フォッシル)製のWear OS by Google搭載スマートウォッチを使っていたが、睡眠時間と日中の活動時間の両方で使うには、入浴中など1日1回は充電台に置く必要があった。
だが、ハイブリッドウォッチのScanWatchは違う。公称値では最大30日もつとしているが、筆者の利用状況では20日程度は連続して使用でき、かなりストレスフリーだった。
充電には付属のコードを使う。ACアダプターはついていないので、スマホ向けやPCに接続して充電しよう。
撮影:小林優多郎
今回試したのは42mmのボディー幅の機種でやや大きく見えるが、重量は約83g(公称値)。時計が気になってよく眠れない……ということはなかった(もともと筆者の寝付きはよい方ということもあるだろうが)。
42mm幅のため、筆者の細腕と比べるとやや大きいが、重量はそれほどではない。
撮影:小林優多郎
その長時間駆動の上で、前述のような細かな心拍や睡眠時間・状態のスコアを見ていると「寝不足でかなり疲れてきているな」とか「ぜんぜん運動してないから、取材で外出たときは1駅分歩こう」などと、気づかされ、実際に行動に移せることもあった。
“スマートウォッチ”として高機能すぎない点もいい
正面の小窓にはさまざまな情報が表示される(上段は左から消費カロリー、歩数。下段は左からスマホの音声通話着信時、Slackのメッセージ受信時)。
撮影:小林優多郎
実を言うと、筆者は自分で使う分にはハイブリッドウォッチに対してはやや懐疑的な姿勢をとってきた。
なぜなら、ハイブリッドウォッチ最大の長所はやはり長時間駆動ではあるが、Apple WatchやWear OS搭載スマートウォッチも、スマホのように充電する習慣をつけてしまえば、自分の利用範囲であれば1日ちゃんと使える。
何より、完全なスマートウォッチの方が、アプリを追加できたり、文字盤を編集できたり、音声アシスタントを起動できるなど、絶対的に多機能だ。
本体右にはデジタルリューズがある。回転・プッシュ、ロングプッシュで操作できる。
撮影:小林優多郎
ScanWatchも既存のWithings製ハイブリッドウォッチと比べると、正面の直径13mmのモノクロディスプレイとデジタルリューズの操作で、時間や歩数、通知の確認、トレーニングモードの任意起動などに対応するなど進化しているが、多機能さで言えば物足りない部分はある。
だが、長時間使ってみるとその“使えない”感覚も、スマホとのちょうどいい距離感をたもつために必要な要素かも、という気がしてくる。いわゆる、「デジタル・ウェルビーイング」という観点だ。
例えば、自分は前に使っていたスマートウォッチでもScanWatchでも、LINEやSlackなどの新着メッセージが来た際には、振動でわかるようにしている。だが、今から思えば、小さい画面の小さい文字を苦労して読もうとする行為は、なんとも非効率に感じるし、何よりせわしない。
HealthMateアプリでは活動量だけではなく、ScanWatchの各種設定が可能。通知を受け取れるアプリも個別に指定できる。
画像:筆者によるスクリーンショット
ScanWatchもテキストの確認はある程度できるがより小さな文字なので、冒頭だけサラッと見て「これは後でいいや」「これは今すぐに返事をすべき」と判断するようになった。
ハイブリッドウォッチを含めたスマートウォッチに何を求めるかによって、ScanWatchがいいのか、Apple Watchのようなものがいいのかは判断がわかれるところだ。だが、電池もちも活動量計としての機能も妥協したくないと言うのであれば、ScanWatchはオススメできる機種だ。
注:この記事のリンクを経由してアマゾンで製品を購入すると、編集部とアマゾンとのアフィリエイト契約により、編集部が一定割合の利益を得ます。
(文、撮影・小林優多郎)
からの記事と詳細 ( 充電不要で約20日間使えるスマートウォッチ「ScanWatch」を3カ月間使い倒してわかったこと - Business Insider Japan )
https://ift.tt/3kEWMB6
No comments:
Post a Comment