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Thursday, February 27, 2020

NASAの探査機「インサイト」の観測でわかったこと…火星の「地震」は地球よりも月に似ている - BUSINESS INSIDER JAPAN

火星探査

火星探査機インサイトのイメージ図

NASA/JPL-Caltech

  • アメリカ航空宇宙局(NASA)の探査機インサイトは、火星で約450回の地震を検出した。
  • 初期の調査では、これらの地震のうち174回と、「塵旋風」約1万件を分析した。
  • その結果、火星の地殻の上部は、おそらく小惑星の衝突によって、乾燥していることがわかった。
  • 科学者たちは、さらに大きな地震が火星の内部構造を明らかにすることを期待している。

アメリカ航空宇宙局(NASA)の探査機インサイトは、火星が砂ぼこりを巻き上げ、周期的な地震で震える不安定な惑星であることを明らかにした。

主任研究員のブルース・バーナード(Bruce Banerdt)氏は、NASAが着陸船のデータから得た最初の発見について「火星が地震活動をする惑星であることが初めて証明された」と記者会見で述べた。「おそらく、地球上のプレート境界から離れたところで起こる地震活動の種類に近いだろう」

インサイトは2018年11月に火星に着陸し、NASAはその発見に関する最初の6つの論文をNature Geoscience誌に発表した。研究の詳細は、探査機が検知した174回の地震と、火星の表面上を旋回して地面を歪ませる1万回以上の旋風を分析したものだ。

バーナード氏によると、インサイトは、研究者らがこれらの研究を開始した後も、より多くの地震を検出し続けており、「これまでに450回の地震を観測している」という。報告された地震のうち、マグニチュード3以上のものは24回で、4以上のものはなかった。

火星探査

火星探査機インサイトのイメージ図

NASA/JPL-Caltech

地震の観測により、科学者は火星の地殻の構造を垣間見ることができた。火星の地震は地球のものよりも月の地震によく似ている。これは、火星の地殻が以前に科学者が考えていたよりも乾燥して壊れていることを示唆していて、研究者たちは、これはおそらく過去の小惑星の衝突の影響によるものだと考えている。

それでも、研究者たちは、将来もっと大きな地震が起こって、火星の奥深くにあるものに関するより多くのデータが得られることを期待している。

これまでに起きた最大の地震のうち2つは、過去1000万年間に地質学的にも火山学的にも活発で、最近でも火星の他のどの地域よりも活発なケルベルス地溝帯でのものだ。

インサイトによるの火星内部の研究を率いる地球物理学者のスザンヌ・スムレカール(Suzanne Smrekar)氏は、「我々が期待しているわけではないものが、時には最も興味深い結果になる」と述べた。

旋風と「塵の悪魔」が地面を曲げる

インサイトが検出した他の信号は、空気中に形成された圧力渦から発生したもので、塵や埃を舞い上げることから「塵の悪魔」と呼ばれる。

これは地球の塵旋風と同じように、地面が太陽の光で温められて発生する。温かい空気が上昇し、温度と圧力の変化を引き起こし、中心が周囲よりも気圧が低くなって渦を形成する。

塵の旋風が探査機周辺を通過すると、減圧に応じて地面がわずかに上昇する。着陸機の地震計は、そうした小さな動きを測定するのに十分な感度を持っており、データは火星の地面がどれだけ固いかを明らかにすることができる。

火星探査

火星探査機インサイトのイメージ図。左下の白い機器が地震計。

NASA/JPL-Caltech

「これは我々にとってまったく新しいプロセスで、今はさまざまな信号を分類する方法を学び始めたばかりだ」とバーナード氏は言う。

インサイトはこれまでにもいくつかの驚くべき発見をしている。着陸船の周りの磁場は火星の平均的な磁場の10倍強いことが分かり、そこには磁性を帯びた岩石が埋まっていることが示唆された。インサイトの測定結果で、火星の磁場が日中と夜間でわずかに変化することもわかった。研究者たちは、これは上層大気の電流の変化によるものだと考えている。

火星の大気を測定する着陸機の機器は、重力が空気を引き戻すときに発生する波紋、重力波も検出した。火星の大気を通過する人間の可聴範囲以下の低周波音も検出し、火星の大気が地球の大気と予想外に似た不規則な乱気流を持っていることを明らかにした。

探査機の観測期間はまだ1年近く残っているので、バーナード氏は、内部に反響するほどの大きな地震を検知できるかもしれないと期待している。火星の小さな地震に関するデータの蓄積は、科学者がこれまでに理解しているよりもはるかに多くのことを、火星の構造について教えてくれた。

「我々は地球物理学者が1900年の初めに地球を研究していたのと同じ状況にある」とバーナード氏は言う。

「我々は最高の分析ツールを使っているが、まだ非常に不可解な状況だ。ここで何が起きているのかを理解しようとしていて、西部開拓時代のようだ」

[原文:NASA's InSight lander is revealing Mars to be far more shaky than we thought. It picked up about 450 quakes and 10,000 ground-bending whirlwinds.

(翻訳、編集:Toshihiko Inoue)

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February 28, 2020 at 08:30AM
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