FINOLABコラム
記事をお気に入りリストに登録することができます。
今年初となる金融庁主宰によるJapan FinTech Week 2024では、3月4日から8日をコアウィークとして多くのフィンテック関連のイベントが開催された。その初日となる3月4日にJapan Financial Innovation Award (JFIA)の授賞式が東京丸の内のプライベートクラブOCA TOKYOで開催された。当日は、「スタートアップ」「金融機関」「コラボレーション」からなるカテゴリ別の表彰が行われるとともに、カテゴリごとの優秀賞と大賞が発表された。300~500件のプレスリリースから審査を行う過程を通じて、日本のフィンテックをめぐる最新動向がみえてきたので、受賞案件とその評価ポイントとともにここで紹介したい。
FINOLAB設立とともに所長に就任。東大経済学部卒、東京銀行入行、池袋支店、オックスフォード大学留学(開発経済学修士取得)、経理部、名古屋支店、企画部を経て1998年より一貫して金融IT関連調査に従事。2018年三菱UFJ銀行からMUFGのイノベーション推進を担うJDDに移り、オックスフォード大学の客員研究員として渡英。日本のフィンテックコミュニティ育成に黎明期より関与、FINOVATORS創設にも参加。
フィンテックとオープンイノベーションを評価する「JFIA」
JFIAは、金融分野における情報通信技術を活用した先進的な取り組みを促進し、業界内でのベストプラクティス共有を図ることに加え、企業グループや業種の垣根を超えたオープンイノベーションのさらなる拡大を願い、2020年に設立された表彰制度である。スタートアップ、金融機関、コラボレーションの3カテゴリから構成されている。日本を代表するフィンテックコミュニティーであるFINOLABを事務局として、今回からナレッジパートナーとなった電通総研のサポートを得て、2023年中にプレスリリースされた金融関連のイノベーティブな取り組み300件以上を抽出。一次選抜を経て金融関連領域の専門家からなるFINOVATORSの審査により、先進性・成長性・金融業界変革の可能性といった観点から選定されたカテゴリごとの受賞企業が1月30日に発表され、3月4日に開催された授賞式においては、さらなる審査による大賞およびカテゴリごとの優秀賞が発表された。
各企業の応募による表彰ではなく、プレスリリースを元に客観的に審査を行うということがJFIAの大きな特徴であり、受賞者にも突然連絡が行くことになる。開催実績を重ねたことで、最近では素直に受賞を喜んでもらえるようになったが、当初は新手の詐欺ではないかと警戒されることも多かった。
また、単独企業の取り組みだけではなく、コラボレーション(協業)というカテゴリを設けることによって、新しい発想にもとづくオープンイノベーションの展開に光をあてるという点も、これまでの表彰制度にない特徴となっている。
関連タグ
からの記事と詳細 ( 数百件を精査してわかったフィンテック動向、知られざる金融イノベーションとは? - ビジネス+IT )
https://ift.tt/5vtAWPQ
No comments:
Post a Comment