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Monday, March 4, 2024

「漆黒」はどうして深い? 闇に包まれた秘密に科学の光を当ててみた:朝日新聞デジタル - 朝日新聞デジタル

 なぜ漆は真っ黒になるのか――。「漆黒」の謎を解明したと、5日、日本原子力研究開発機構などが発表した。黒く着色する際に混ぜる微量の鉄によって漆の構造が変化し、光を吸収しやすい形になっていたという。

 漆は縄文時代から日用品や装飾品の塗料として使われてきた。特に、深みのある黒い漆は珍重され、「漆黒の闇」のように真っ黒を表現する言葉にもなっている。

 生漆(きうるし)は茶色っぽく、主成分のウルシオールと水分からなる。黒く着色するには、炭素の細かい粉を混ぜるなど複数の方法がある。中でも、ごくわずかな鉄を混ぜると、美しい光沢をもつ黒い漆になることは古くから知られているが、メカニズムはわかっていなかった。

 混ぜる鉄が非常に微量であること、漆が黒いため可視光では微細な構造が見えないこと、固まった漆は分解しにくいことなどが謎を解きにくくしている。乾燥前の漆が肌につくと「漆かぶれ」を引き起こすため取り扱いが難しいことも、解析を阻んできたという。

 研究チームは、大型放射光施…

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