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Thursday, February 8, 2024

アフリカ・ボツワナに口座開設してわかった「本当に強い海外株」 - 株探ニュース

すご腕投資家さんに聞く「銘柄選び」の技 RENEさんの場合-最終回
登場する銘柄

編集・構成/真弓重孝、取材/高山英聖(株探編集部)


イラスト:福島由恵
■RENEさん(ハンドルネーム・50代・男性)のプロフィール:
大手製薬会社に勤務する兼業投資家。日本株、中国・香港株、アメ株への長期投資で、現在は待機資金を含めると4億円の運用資産を持つ。1990年代に日本株投資を始めるも思うような成果を出せなかったところ、2000年頃から中国・アメ株に対象を変えると、順調に成果を上げる。その成功体験を基に日本株もアベノミクス以降に再挑戦した結果、累計元本1000万円は約40倍に拡大、直近の配当収入は700万円におよぶ。「株探アンケート~24年の日本株戦略」の回答者で、投資スタイルは「バリュー重視」、日本株投資の腕前は「上級者」となる。

第1回記事「120カ国を旅した億り人が、タカラトミーで4倍化に成功したワケ」を読む
第2回記事「5年で130万円→4000万円、日本株撤退から学んだ大化けゲットの技」を読む
今回登場中のRENEさん(ハンドルネーム)は、世界各地を旅しながら、アフリカ南部にあるボツワナ共和国など複数の新興国で、証券口座を現地で開設してきた。
ボツワナで口座を開設したのは2000年頃。現地に降り立つと、「自分の想像よりも、はるかに豊かな国」と衝撃を受けたのがきっかけだ。
当時、ボツワナの1人当たり名目GDPは3099ドル(約46万円、下の表)。隣国の南アフリカ、また経済成長の期待度が高い中国・インドを含めた4カ国の中ではトップとなる。
また経常収支は中国、インドに次ぐ3番目の水準だが、米格付会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスの長期発行体格付では「A2」と、4カ国の中では最上位にいた。
足元のボツアナは1人当たりGDPが7758ドル(約115万円)に拡大した一方で、長期格付はA3と当時より1段階低くなっているものの、今注目のインドよりも引き続き上位の水準にある。
■各国の1人当たり名目GDP、経常収支、長期発行体格付(2001年時点)
国名 1人当たり名目GDP 経常収支 長期発行体格付
2001年 23年 01年 23年 01年 23年
ボツワナ 3099ドル 7758ドル 5億9500万ドル 1億7200万ドル A2 A3
南アフリカ 2964ドル 6190ドル 3億3300万ドル ▲95億3300万ドル Baa2 Ba2
中国 1044ドル 1万2541ドル 174億500万ドル 2714億3900万ドル A3 A1
インド 457ドル 2612ドル 34億ドル ▲668億700万ドル Ba2 Baa3

注:2023年の1人当たり名目GDPと経常収支は推定値、長期発行体格付は外貨建。▲はマイナス


新興国への投資というと、著名投資家のジョン・テンプルトン(故人)やジム・ロジャーズの名が浮かぶ。
テンプルトンは戦前に30を超える国を旅した経験を生かし、日本株には日本が高度成長期に入りかける1960年代から投資を始めた。さらに同じように高度成長前の韓国株、そして暴落したアルゼンチン株など、同じ割安成長株でも世界地図の中で投資対象を選んできた。
一方のロジャーズも、世界の6大陸をバイクで横断、車でも100カ国以上を巡った経験を持ち、ボツワナやペルーなどの国々で投資をしてきた。
しかしRENEさんは、ボツアナで証券口座を開設したにもかかわらず、彼らカリスマたちとは同じ道を歩むことを断念した。それはどうしてなのか。最終回は、RENEさんが海外株投資で重視しているポイントなどを見ていく。
■RENEさんが投資を検討した国々の一例
国名
ボツワナ共和国
イスラエル
ベトナム
チリ

ボツワナの魅力は、豊富な鉱山資源
RENEさんがボツワナに魅了されたのは、首都ハボローネを訪れた時だ。街並みには高層ビルが連なり、交通インフラが整備されている大都会。自分が思い描いていた姿と大きなギャップがあった。
世界の最貧国の1つ――。1966年に英国から独立した当時、ボツワナはこう呼ばれていたこともあって、本人の中ではボツアナに豊かな国のイメージはなかった。
旅先で現地の人と話してわかったのは、ボツワナはダイヤモンドなどの鉱山資源で経済力を付けてきたことだった。また医療サービスも充実していて、外国人も安心して医者にかかることができそうだということも聞いた。
その真偽は確認していないが、現地の人々の生活の様子を目の当たりしながら、まったくかけ離れた話でもなさそうだとの印象を持ったという。
ボツアナでは、RENEさんは、「カラハリの真珠」と言われる世界最大の湿地帯オカバンゴ・デルタを訪れた。そこはカバやゾウなど野生動物が身近にいて、同国に対する親近感がさらに深まった。
現地で見聞きしたことに加え、当時からソブリン格付が投資適格の水準だったこともあり、ボツワナ株を1つくらい持っておいてもいいのではと、現地で証券口座を作った。
■オカバンゴ・デルタのロッジの室内
【タイトル】
提供:RENEさん
イスラエルでも投資を検討
イスラエル株の投資も検討したことがある。
それは1989年の旅行がきっかけ。発明大国で、イノベーションを起こす企業が現れる可能性があると見たからだ。「世界人口の0.2%しかいないユダヤ人が、ノーベル賞受賞者の約20%を占めている」(RENEさん)
高い技術力を生み出してきた背景には、子どもの頃から人と違うことに挑戦する教育され、それが賞賛されるカルチャーがあることを旅行などから知った。そのことについて、「(塩分濃度の高い)死海では、人は溺れないと知った以上の衝撃だった」と、本人は独特の表現で語る。
そんな驚きを与えられたイスラエルだが、ボツアナと同様に現地株を投資するまでには至らなかった。
■イスラエル旅行で訪れた「嘆きの壁」
【タイトル】
提供:RENEさん
海外株で投資するために大事にしていること
ボツアナやイスラエル以外にも、ベトナム株も現地口座を開いたものの、同じように投資するには至っていない。何故、これらの国々の株に投資することを見送ったのか。
※当該情報は、一般情報の提供を目的としたものであり、有価証券その他の金融商品に関する助言または推奨を行うものではありません。
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