パレスチナ自治区のガザを実効支配するイスラム原理主義組織ハマスが2023年10月、イスラエルを攻撃した。イスラエルはこれに対して反撃し、現在も衝突が続いている。こうした事態に対して、米国民の多数が、広範な戦争に今後拡大することを懸念していることが世論調査からわかった。
経済誌「エコノミスト」と調査会社ユーガブが10月18日、イスラエルとハマスの衝突などに関する世論調査結果(注1)を発表した。それによると、「イスラエルとハマスの衝突が周辺国を巻き込んだ戦争に拡大すると思うか」という設問に対して、62%が「そう思う」(「強く思う」22%、「かなり思う」40%)と回答した。
米国によるイスラエルへの人道支援については、70%が「支持する」(「強く支持する」47%、「いくらか支持する」23%)と回答した。具体的な支援内容別にみると、「イスラエルへの財政的支援」を「良い」と回答した割合は49%、「イスラエルへの武器供与」を「良い」と回答した割合は41%だった。米国政府はイスラエルを支持する立場を表明し、アントニー・ブリンケン国務長官(2023年10月17日記事参照)、ジョー・バイデン大統領がイスラエルを訪問している(2023年10月19日記事参照)。
「パレスチナ人への経済制裁」に対しては、「悪い」が37%と「良い」(26%)を上回った。バイデン政権は18日にハマス幹部らに経済制裁を発動したが、パレスチナ人を狙ったものではないと述べている(2023年10月19日記事参照)。
コネティカット州のキニピアク大学が10月に実施した世論調査(注2)によれば、「イスラエルとハマスの衝突が中東地域でより広範な戦争にエスカレートすると懸念するか」という問いに対して、85%が「懸念する」(「非常に懸念する」49%、「いくらか懸念する」36%)と回答した。今回の衝突の責任の所在については、「ハマス」と回答した割合が72%と、「イスラエル」(10%)を大きく上回った。
また、バイデン大統領の今回の衝突への対応については、「支持する」が42%、「支持しない」が37%だった。米国のイスラエルへの支援の度合いについては、「ほぼ適切」と52%が回答した。
(注1)実施時期は2023年10月14~17日。対象者は全米の成人1,500人。
(注2)実施時期は2023年10月12~16日。対象者は全米の登録有権者1,552人。
(松岡智恵子)
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