ASCII.jpでは2022年5月、業務で利用しているクラウドストレージサービスとDropbox製品に対する意識調査アンケートをオンラインで実施した。その結果を見ると、Dropboxユーザーとその他のクラウドストレージユーザーとの間に「利用目的」の違いがあることがわかった。以下、調査結果を見てみたい。
今回の調査概要、回答者の属性
今回のアンケートは「仕事上で利用しているクラウドストレージサービス、およびDropbox製品に対する意識調査」を目的としたものだ。Dropboxやそれ以外のクラウドストレージを利用している有職者を対象としている。短期間の調査だったため有効回答件数は74件と少ないが、ご回答いただいた方にはあらためてお礼を申し上げたい。
まずは調査回答者の概要を見てみよう。勤務先の従業員数としては「1~30名以下」が49%とおよそ半数で、以下「31~100名」が16%、「101~1000名」が18%、「1001名以上」が11%だった。業種としては「情報サービス」19%、「情報通信」12%、「製造(その他)」と「卸売・小売」8%(同率)が上位を占めた。
Dropbox業務ユーザーの「利用目的」には大きな特徴
今回の調査回答者が業務上で利用しているクラウドストレージサービスは、「Googleドライブ」68%、「Dropbox」58%、「Microsoft OneDrive」50%、「Box」15%などだった。そこで「Dropboxを利用している人」と「その他を利用している人」に分けて、それぞれの傾向を探ってみた。
※注:Dropboxには個人/SOHOユーザー向けプランと企業向けプラン(Dropbox Business)があるが、今回の調査では区別せず集計している。
両者の間で最も明確な違いが表れたのが「クラウドストレージの利用目的」という点だった。「仕事上でのDropbox/クラウドストレージの主な利用目的」(複数回答可)について質問したところ、それぞれのトップ3回答は次のようになった。
■Dropbox利用者
・1位:「複数のデバイスでフォルダを同期して、どこからでも作業できるようにするため」65%
・2位:「データやファイルをバックアップしておくため」55%
・3位:「データやファイルを中長期的に保管しておくため」39%
■他のクラウドストレージ利用者
・1位:「データやファイルをバックアップしておくため」56%
・2位:「データやファイルを中長期的に保管しておくため」47%
・3位:「複数のデバイスでフォルダを同期して、どこからでも作業できるようにするため」44%
トップ3となった項目そのものは同じだが、太字で強調しているとおり、Dropbox利用者では特に「複数のデバイスでフォルダを同期して、どこからでも作業できるようにするため」という回答の割合が高い。その他のクラウドストレージ利用者と比べて19ポイントもの差が出ている。
実際に、Dropbox利用者に対して「個人で何台のデバイス(PCやスマートフォン、タブレット)からアクセスしていますか」を尋ねた結果を見ても、「1台」のみという回答は12%にとどまり、複数台からアクセスしている回答者が88%を占めている。トップ回答は「4台以上」の37%だ。
さらに「Dropboxを仕事で利用していて便利だと思う点、気に入っている点」(上位3つを選択)についても、回答のトップは「複数のデバイスでフォルダを同期して、どこでも仕事ができる環境が整うこと」59%だった。
これらのことから、Dropboxは特に「複数デバイス間の同期」という点で高い評価を得ていることがわかる。ファイル同期の高速さや安定性、スマートフォン/タブレットのアプリのわかりやすさ、使いやすさという部分への評価と言えるだろう。
そもそも、Dropboxを仕事で使い始めたきっかけとして「もともと個人でもDropboxを使っていたため」を挙げる回答者は多かった(65%)。個人利用で使いやすさや安定性を実感したからこそ、仕事でも使うという利用者が多いものと見られる。一方で、その他のクラウドストレージを使っている回答者の場合は、「他のクラウドサービス(Microsoft 365、Google Workspace)に無料で(追加コストなしで)付属していたから」がきっかけとなるケースが多いようだ。
Dropboxの強みは「複数メンバーの共同作業」でも生きてくる
冒頭で触れたとおり、今回の調査では個人事業主や小規模企業で働く回答者が多かった。それでもDropboxの主な利用目的として「ファイルを複数名で同期して、共同作業を行う」を挙げた回答者が33%いた。上述したDropboxが持つ「複数デバイス間の同期」という強みは、個人の業務だけでなく、複数人での共同作業においてもメリットがあるはずだ。
たとえばDropbox Businessの「チームフォルダ」を使えば、チームメンバー全員が同じフォルダを共有し、手元のデバイスに同期することができる。「作成した書類を外出中の上司に確認してもらう」「オフィスで資料を作成し、最新版を作業現場で閲覧する」といった使い方も簡単だ。
もちろん、Dropboxを通じたファイル/フォルダの共有は社内のチームメンバーに限らない。「共有フォルダ」を作成し、メールやチャットを通じて社外取引先の人とも安全に共有することもできる。
そのほか、相手側にアプリがインストールされていなくても幅広いファイル形式の閲覧やPDF変換に対応している点や、Dropbox上でコメントを付けられる点も便利である。
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今回はDropboxおよびクラウドストレージサービスの業務利用に対する意識調査から、業務ユーザーがDropboxのどこに強み、メリットを感じているのかを探ってみた。
今回の調査で明らかになった「複数デバイス/複数ユーザー間での同期」のメリットが、実際の業務現場でどのように生かされているのか。今後、事例紹介などの記事を通じて、より具体的にお伝えしていきたいと考えている。
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