医学部の不正入試問題で、性別や年齢を理由とした不当な差別で不合格にされたとして、元受験生の女性が東京医科大、昭和大、順天堂大の3大学(いずれも東京)に計約3600万円の損害賠償を求めた訴訟は、東京地裁で和解が成立したことがわかった。原告側の代理人弁護士によると、3大学側が「公正な入試だったとは認めがたい」などとして女性に謝罪し、解決金を支払う内容だという。
和解は東京医科大と昭和大が3月25日付、順大が4月26日付。和解条項には、公正な入試が行われていれば、女性が合格したり、1次試験を通過したりしていたことを3大学側が認め、再発防止の徹底を図るとする内容も盛り込まれた。
女性側は謝罪や再発防止の約束を確認できたことから和解に応じたという。3大学は取材に「コメントは差し控える」などと答えた。
訴状などによると、女性は2018年に3大学を受験し、いずれも不合格だったが、同年8月に東京医科大で女子や浪人回数の多い男子受験生の得点を一律に減点していた問題が発覚。その後、他の大学でも不適切な入試が明らかになった。
3大学の調査で女性は性別や年齢を理由に不合格にされたことが判明し、女性は19年6月、「不正入試は人生をねじ曲げるもので、精神的苦痛は極めて大きい」として提訴していた。
一連の問題では、この女性を含めて元受験生らが大学に対する訴訟を相次いで起こし、19日には女性13人が順大に損害賠償を求めた訴訟の判決が東京地裁で言い渡される予定だ。
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