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Sunday, January 30, 2022

3歳児熱湯死、市に「殺されてしまう」「こぶがある」と情報あったが…検討会議開かず - 読売新聞オンライン

 大阪府摂津市の3歳男児虐待死事件で、市と府の児童相談所が個別ケースへの対応を検討する会議が、母子の転入時に2回開催されて以降は事件まで3年近く開かれていなかったことがわかった。市に虐待を疑わせる情報が再三寄せられた際も開催されず、府の検証専門部会は虐待リスクの見逃しの要因だと指摘。31日に公表する報告書で、府などに開催基準の整備を求める。

 事件では、新村 桜利斗おりと ちゃん(3)が昨年8月、摂津市のマンションで熱湯をかけられて死亡し、母親(23)の交際相手の無職松原拓海被告(24)(殺人罪などで起訴)が逮捕された。

 虐待が疑われたり、支援が必要だったりする児童がいる場合、自治体は児童福祉法に基づいて設置する「要保護児童対策地域協議会」で、児相などの関係機関と情報共有し、連携して対応にあたる。

 厚生労働省は協議会の運営について、対応中の事例などをまとめて情報共有する定例の「実務者会議」、個別事例に絞って危険度や緊急度を協議する「個別ケース検討会議」を状況に応じて開催するよう求める。

 桜利斗ちゃんは2018年10月に母親と摂津市に転入。それまで住んでいた大阪府泉南市から見守りの必要がある家庭との情報が寄せられ、摂津市は協議会の対象とし、転入時と、保育園入園が決まった同11月に検討会議を開いた。

 しかし、それ以降は検討会議は開かず、毎月開催していた実務者会議での報告にとどまった。実務者会議では毎回50件前後が議題に上るため、1件あたり数分しか時間がなく、具体的な議論はほとんどされていなかったという。

 この間、市は20年末頃に母親と松原被告の交際を把握したほか、昨年4~6月には保育園や母親の知人らから桜利斗ちゃんについて「こぶがある」「このままでは殺されてしまう」との情報が寄せられていた。

 関係者によると、府の検証専門部会の報告書ではこうした点を踏まえ、「(交際による)家族全体の変化」「交際相手からの暴力のリスク」について、「検討会議で再評価すべきだった」と市や府の対応の問題点を指摘する見通しだという。

 市の担当者は「保育園や母親と連携できているとの思いから、定例の会議で対応できると考えたが、認識が甘かった」と話した。

 検討会議をどういう場合に開催するかなどの明確な基準はなく、報告書では国や府にルールの整備を求める。摂津市は「独自の基準を作成したい」とする。

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