衆院選があった10月31日、朝日新聞社などは全国289選挙区から8670の投票所を選び、投票を終えた有権者を対象に出口調査を実施しました。調査に協力していただいた41万人あまりの方々の回答を分析すると、各候補者の得票率や、各政党の獲得議席数を推計することができます。同時に、どのような有権者が、どの時間帯に投票したかも出口調査から見えてきます。(朝日新聞記者・四登敬)
調査結果をつぶさに見ていくと、浮かび上がってくる傾向があります。
午前7~9時台に投票した有権者を支持政党別に分析すると、自民支持層が投票者の44%を占めましたが、午後5時以降は40%に落ちました。立憲の支持層は午前中は19%ほどですが、午後4時台は15%、午後7時台は13%に減りました。
公明や共産の投票者も比較的出足が早く、自民や立憲の支持層と似たような動きをしていました。
逆に、午後になると活発になる有権者もいます。代表格は無党派層です。午前7時台、8時台に投票した有権者の中では11%でしたが、時間がたつにつれてその割合は増え続け、午後7時台は22%と早朝の2倍になりました。維新への投票者も、朝方は7~8%でしたが、夕食前の時間帯には10%になりました。国民やれいわの支持層も、午前より午後の方が投票する人の割合が増えていました。
朝日新聞の出口調査は、相手を選ばず、投票を終えた有権者に次から次へと調査のお願いをする手法です。
その前提で年代別の動きを見ると、午前中に投票した有権者は60代以上の割合が高く、午後になると50代以下の割合が高くなっていました。午後4時台では、40代、50代、70歳以上の割合がそれぞれ20%程度で並び、午後6時台以降は、全体の半数近くを40代と50代が占めました。
似たような投票の動きは、ほかの選挙でも見ることができます。高齢者など年代の高い層が午前中に投票し、若年層から中年にかけての有権者が午後に投票する傾向はあまり変わりません。
出口調査をしている時は、調査の途中で何回かデータを集計し、候補者や政党のその時点の支持の集まり具合を見ています。
ここまでご紹介したように、今回の衆院選では、昼ごろまでは自民や立憲、公明などの支持層の投票先の勢いが強く、夕方にかけて勢いが落ちていきました。
維新や国民などの支持層や無党派層の投票先は、午後から伸びてくる傾向がありました。
政党支持層の年代構成と合わせて見ると、年代の高い支持層の割合が多い政党は午前中に勢いがあり、若い世代や中年の支持層の割合が多い政党は午後から勢いが増してくる、という大まかな傾向がありました。
出口調査のデータを元にして候補者の当落や政党の議席数を推しはかる際は、集計のたびに変化するこうした有権者の動きも、大切な判断材料になっています。
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