東京都調布市を走行していた京王線の電車内で、乗客17人が重軽傷を負った事件で、殺人未遂容疑で逮捕された服部恭太容疑者(24)が乗車後すぐに乗客男性(72)に襲いかかっていたことが警視庁幹部への取材でわかった。男性は右胸を刺され、意識不明の重体が続いているという。
警視庁幹部によると、服部容疑者は10月31日午後7時50分過ぎ、調布駅(調布市)で京王八王子発新宿行き特急電車(10両)に乗車。同54分頃に電車が発車してすぐ、乗っていた3号車で座席に腰かけていた男性の目に殺虫剤を噴きかけた後、右胸を刃渡り約30センチの刃物で刺したという。
その後、刃物を持ったまま、前方の車両へと移動を始めた。この時、前方で席に座っていた中央区の会社員男性(22)はとっさに、服部容疑者と視線を合わさないようにして、やり過ごそうとした。服部容疑者は終始無言で、血の付いた刃物を周囲に見せつけるようにして歩いていたという。
「走って!」「ヤバイヤバイ!」。車内に悲鳴や怒号が飛び交い、乗客が一斉に逃げ出した。座席で音楽を聴いていた20歳代の自営業男性も、騒ぎに気づいて逃げようとしたが、車内に人だかりができて思うように前に進めなかった。
後ろを振り向くと、紫色っぽいスーツと緑色のシャツを着た金髪の服部容疑者が、一般的な包丁より長い刃物を手に立っていた。この日はハロウィーンで、男性は一瞬、「ハロウィーンのいたずらか」と思ったが、周囲の反応から「本物かもしれない」と直感し、服部容疑者の脇をすり抜けて後方に逃げたという。
服部容疑者は前から6両目の5号車に移ると、ペットボトルに入ったライター用のオイルをまき、ライターで着火。車内にモクモクと煙があがり、逃げ惑う乗客や「消火器を持ってきて!」といった叫び声で車内はパニックになった。
車掌が異常に気づき、電車は午後8時前、通過予定だった国領駅で緊急停車した。警察官が駆けつけた際、服部容疑者は後方の2号車に移動しており、刃物を持ったまま座席に座っていた。「刃物を捨てろ」と言われると、おとなしく刃物を座席に置いたという。逮捕は8時9分だった。
火災では座席のシートや床などが焼け、約30分後にほぼ消し止められた。京王線は1日未明まで上下線で一部運行を見合わせた。
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