期待以上の居住性
カローラ・シリーズ初のSUVとして話題の「カローラ・クロス」の魅力を、試乗体験をもとに、お伝えしよう。“すべての座席を快適に。広々としたゆとりの空間”と、謳われるインテリアの居心地も、期待いじょうだった。 室内のひろびろ感と、インフォテインメントシステムの充実ぶりと、荷室を含めた使い勝手のよさは、カローラ・クロスで重要視された点だったようだ。 カタログをみると、メーカーのメッセージがビジュアル表現から伝わってくる。若いカップルの“モデル”たちが、買い物からキャンプまで楽しむ様子が描かれている。いっぽう、つねに後席の存在も強調されているところをみると、「乗るひとは前後の席どこでも気持ちよく」と語ったカローラ・クロスの開発者の言葉が思い出される。 カローラ・シリーズということもあり、サイズはふだんの使い勝手を重視して決めていったのだろう。「C-HR」などと共用するGA-Cプラットフォームをベースに、全長は4490mm、ホイールベースは2640mmに抑えられている。ちなみにグレード構成は、大きく分けて、ガソリン・エンジン搭載モデルと、それにモーターを組み合わせたハイブリッド・モデルの2種から成る。前者の原動機は1.8リッター直列4気筒で、最高出力は140ps/6200rpm、最大トルクは170Nm/3900rpm。CVTを介して前輪を駆動する。 後者、ハイブリッド機種の原動機は2種類ある。ひとつは1.8リッター直列4気筒(最高出力98ps/5200rpm、最大トルク142Nm/3600rpm)に、フロントモーター(53kW/163Nm)のみを組み合わせたもので、このパワー・ユニットを積んだクルマは前輪駆動だ。もうひとつは、フロントにくわえリアにもモーター(5.3kW/55Nm)を追加搭載した4WDモデルで、これは「E-Four」と呼称される。トランスミッションは、どちらも電気式無段変速機である。 荷室容量は、後席を立てた状態で487リッター。実際に体験すると、狭くもないけれど、広いというほどのスペースではない。車格からすれば妥当なところだ。リアシートのバックレストを倒せば、ロードバイクも積める。なお、FWDと4WDで荷室容量に差はないという。 頭上の抜け感をもたらすために、ガラスはめこみ式の「パノラマルーフ」がオプション設定されている。後席の着座位置は前席に対してごくわずかだけ持ち上げられているにすぎないため、ヘッドスペースはそもそも窮屈ではない。でも空が見えるのが、後席にいるとたいへん快適。私の好きなオプションだ。
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