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Wednesday, June 2, 2021

家賃滞納からの退去発生! 経験してわかった家賃保証会社を利用する3つのリスク|不動産投資の健美家 - 健美家株式会社

早いもので、まったくの不動産初心者だった僕が大家になって( 初めて物件に入居者の方を迎え入れて )から2年が経過しました。

入居者の退去もいくつか経験しましたが、最近、家賃滞納が原因で退去となったケースを初めて経験しましたので、今回はその件についてまとめたいと思います。

■ 収納代行付き家賃保証プランのしくみ

僕は基本的にすべての入居者の方に家賃保証に加入してもらっています。最近の家賃保証会社は収納代行の仕組みも用意してくれていて、入居手続の際に銀行口座を登録してもらえば、家賃の回収を自動引落で行うことができます。

僕が利用しているサービスだと、入居者の口座から家賃が落ちようが落ちまいが、大家には満額のお金がすぐに振り込まれる仕組みになっています。

指定日に必ず満額の家賃が振り込まれるので、「 毎月1日に通帳を記帳して、滞納がないか確認する 」というザ・大家さん的な事務作業さえも必要ないということになります。

気乗りしない督促も保証会社がやってくれます。戸建ばかりの自主管理が中心で、管理会社と契約していない僕にとってこのプランは非常に魅力的で、ほとんどすべての物件でこの収納代行付きの保証プランを導入しています。


例:家賃保証 収納代行のしくみ 一例

この収納代行のしくみは、賃貸経営の中で起こりうるリスクのひとつ、「 家賃滞納による資金繰り悪化 」をカバーしてくれる本来大家にとって大変心強いものです。但し、今になって振り返ってみると、気をつけなくてはならない点もいくつかあると気づきました。

■ 滞納が発生してわかった家賃保証を利用する3つのリスク

まず1つめは、「滞納が起きている事を認識しづらい」ということです。前述したとおり、滞納が発生していても、大家には何事もないように家賃が振り込まれます。

「 滞納が発生すれば、保証会社からすぐに連絡が来るもの 」と思い込んでいたのですが、現実は「 ○○さんの家賃滞納が3カ月目に突入した。法的措置を検討したいのでご協力おねがいします 」という、いわば末期状態での宣告でした( タイミングは会社にもよると思いますが )。

恥ずかしながら、家賃滞納が発生していたことを約3カ月間も知らないまま放置して、賃貸経営をしていたことになります。これにはとても驚いたのと同時に、非常に情けない気持ちになりました。

保証会社の営業マンと定期的にコミュニケーションを取る機会を設けたり、専用WEBサイトで回収状況のレポートを見たりして、定期的に滞納が発生していないかを確認することが必要だと反省しました。

滞納1〜2回のうちに気づいていれば、例えば入居者に行政の支援制度を提案してみる等、こちらからも手の施しようがあったかもしれません。

2つめに、入居者が払う家賃は保証会社に一旦入金される、というお金の流れ。これもリスクといえます。なぜなら、保証会社の経営状況が悪化した場合、大家へ送金されずに最悪、家賃を持ち逃げされてしまう、ということが考えられるためです。

収納代行(口座引落)は使わず入居者→大家へ直接振込にする、複数の保証会社に分散する、財務基盤がしっかりした大手の保証会社を選ぶ、などのリスクコントロールも検討すべきだと考えています。

特に、1社の収納代行のみに頼っていると、大きいリスクを抱えてしまうことになります。上場しておらず、財務内容を公開していない保証会社も多いので、「 その時 」は突然訪れる可能性があります。

3つめ。いざ滞納が発生した場合には、大家と保証会社の利益は相反してしまうということです。 こちらとしては入居者が入れ替わるのも手間なので払える状態に戻ってくれるのがベストでしたが、滞納分を負担する保証会社は悠長に待っていられません。

回収見込みの薄い入居者には、一刻も早く出ていってもらい、出血を止めることが最優先事項になります ( 経験則から、この人は復活しないとの見極めもあったと思います )。
今回の滞納の件で、保証会社とは、以下のようなやり取りが数回ありました。

僕 「 月末までに払うと言ってますが、もう少し待ってあげるわけにはいかないですか? 」

保証会社 「 いえ、この案件は本社からも強く言われているのでムリです。訴訟を起こして退去してもらいます 」


自分の物件であるにも関わらず、退去の決定権は保証会社サイドにあるのです。中にはオーナーと保証会社がモメるケースもあるのでしょう。

僕の利用している会社では、新規契約の際の営業マンと督促・回収担当の人は、同じ支店内でも別々の担当者になっていましたが、そのような事情もあるのだと思います。

■ 保証プランの内容で留意しておきたいこと

最後に、当然ですが、保証プランの内容について、あらかじめ理解しておくことが大事です。

僕の利用している会社のプランは、退去明渡しが完了するまで最大24カ月分の家賃を保証してくれる内容なのですが、一部の費用には制約がありました。例えば、退去時の費用の中の「 短期解約違約金 」と「 現状回復費用 」はあわせて家賃2カ月分までしか出ませんでした。

原状回復は大きくなりがちなので、上限額が多いにこしたことはありません。滞納で退去する人は後先を考えていないことも多く、原状回復に要する費用がかさみがちだと思います。

僕の物件も少なく見積もっても、家賃5カ月分相当は必要です。つまり、保証会社が払ってくれる2カ月分だけではとても足りません。そのため、新しい入居者を募集するためには、いくらか手出しが発生することになりそうです。

結局この入居者一家は、裁判などの法的措置によることなく、保証会社からの説得に応じた形で、任意で退去することになりました。奥さんが、生まれたばかりの子を抱えており気の毒でしたが、僕には成す術がありませんでした。

家賃を払わないほうが悪い・・・とはいえ、一緒に暮らしていた小さな子どもたちには罪はありません。責任の重い仕事をしていることを突きつけられた、後味の悪い出来事でした。

■ まとめ

僕が家賃保証( 特に収納代行付きのプラン )について考えたことを改めてまとめると以下の通りです。

・収納代行付きだと滞納が発生していることに気づきにくい
・収納代行は、保証会社の持ち逃げリスクがある
・滞納が発生すると、大家と保証会社は利益が相反する
・保証プランの内容( 特に上限額 )に注意

経験してわかることって、多いですね。

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