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Wednesday, May 26, 2021

「第四のメガバンク」SBIと比較してわかった、地方銀行のヤバすぎる現状 - 現代ビジネス

投資家に情熱を持って語りかけられるかどうか

もうここ数年来のテーマではあるが、地銀経営が本当に行き詰まっている。去る5月19日には東証などに上場する地銀や複数地銀がホールディングスにぶら下がる金融グループ77社の3月決算が出揃ったが、その半数弱の36社で最終利益の減少、赤字が発表された。

また、経営統合への動きも加速化していて、5月14日には共に青森県を地盤とする青森銀行とみちのく銀行が経営統合に向けた協議に入ったことが発表された。

かつて地銀といえば、県庁や電力会社と並びUターン志向の強い学生には燦然とした輝きを持つ就職先と考えられていた。その地銀がなぜ行き詰まったのか、IR活動の視点でその原因を探ってみたい。

photo by istock

筆者の私的な勉強会での議論にはなるが、説明会が奏功して高騰していた株価が適正な水準に戻った(要は下がった)場合は、長い目で見てそのIRは成功だったと言えるだろうし、むしろ平時の決算前のIRが効いているならば、決算発表がサプライズを呼んで株価を騰貴させる(要は爆上げさせる)筈はない、という議論もある。

その議論からすれば、決算発表というイベントが、通常見られる株価の振幅の幅を大きくしない会社こそが、IR巧者と言えるはずだ。

一方で、私が地銀のIRが総じて「いいIR」ではなく、「残念なIR」の事例だと論ずるその評価軸は、5月2日の記事〈株価「爆上がり」の日本電産と「伸び悩む」パナソニックの間にある「明確な差」〉に示してある。

つまるところ、パナソニックのIRは結局は「受託者責任の解除」を主とする受動的な優等生のIRで、「我が社にぜひ投資してください」と投資家に情熱を持って語り掛ける、日本電産のような「航海者」としてのIRではない、と論じたまさにそれが評価軸だ。

主観的な判断が入ってしまう領域ではあるが、そこにアニマルスピリッツが見えるのかどうか、が重要だ。地銀について言えば、起業家というのではなく銀行家として、それでいいのか、良かったのか、という軸ともいえる。

また、本稿では特定の地銀の説明会を取り上げるが、あくまで地銀の活動全体を問題意識に据えている、と最初に断っておく。

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