
五輪やプロまで〝いった人〟の習慣
まず、五輪やプロまで〝いった人〟が成功した要因に、現役時代から多くの人が「PDCAサイクル」を回していたことがあげられます。現役を退いてから「これまでしていたことはPDCAだった」と気付いた人は少なくないことから、この循環が生活の中に染み込んでいると感じました。 アスリートは、目標に向かって、日々努力を積み重ねていきます。体調や気持ちの浮き沈みがある中で、どうしたら目標に到達できるかを常に「考える」習慣が、現役時代をはじめ、引退後も生きていました。 <どういう戦術で戦えば相手に勝てるのか。まずは目的を明確にし、それを達成するために、どういう考えを持ってアクションすればいいのか、毎日考えるようにしました。――(元バドミントン選手・福井剛士さん)> <まずは自分で考えた上で、足りない所を人からアドバイスで補っていく。これって、野球でも、仕事でも、何にでも役に立つと思います。――(元プロ野球選手・北川智規さん)>
思考や行動の「言語化」で成功を再現
「考える習慣」に加え、「言語化力」もポイントです。スポーツにおいて〝天才〟と呼ばれる人は、感覚的にスキルを体得している場合があります。一方で、本当に〝天才〟な人は一握りで、取材した多くのアスリートは現役時代、成功のイメージを自分なりに練り上げ言語化していました。 元柔道家で五輪金メダリストの松本薫さん(33)は、こう話していました。 <「天才」というのは、頭で考えなくても頭と体が一体化しているんですよね。そのため、「この技はどうやるの」と聞いても「ちょんちょんってやるんだよ」と言われる。「その“ちょんちょん”がわからないんだよ!」と心の中でツッコミましたよ(笑) 私は天才ではありませんでした。そのため、練習で意識したのはイメージ通りに体を動かせるようになること。「思考と体の一体化」を鍛え続けた結果、勝った時も負けた時も、その理由を言葉で説明できました。常に自分の課題を把握していたので、次にやるべきことが明確にわかっていました。> 自分の思考や行動を客観的に捉え、言語化する。その時の状況、判断、行動、そして結果を分析することで、成功もしくは失敗した理由を把握できます。成功した場合は「まぐれ」ではなく「再現」することが可能であり、失敗した場合はその克服方法を考えることができます。 <自分の考えを言葉できちんと説明できるようになると、アスリートはより伸びるのではないかと思っています。――(元バレーボール日本代表選手・朝日健太郎さん)> <履歴書と職務履歴書の作成時、自分がどういうプロセスで野球が上手くなり、結果どうなったかを、具体的に、論理的に、簡潔にまとめて伝えることを意識しました。――(元プロ野球選手・久古健太郎さん)>
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