「報ステ」ことテレビ朝日の報道番組「報道ステーション」のWeb用CMの炎上が話題になった。CMがYouTubeなどに公開されたのは3月22日。23日夜にはSNS上で「女性蔑視だ」「ジェンダー平等に取り組む人を揶揄している」などと批判が殺到、翌24日朝には大きな炎となっていた。すぐに削除されるだろうと思っていたが、意外に粘った挙句24日のうちには削除された。 【グラフ】「報ステ」驚きの視聴率データ 何しろコピーの構成がまずい。「ジェンダー平等が時代遅れ」だけが印象に残り、これでは女性たちが不快に感じるのももっとも。よく聞くと「会社の先輩産休あけて赤ちゃん連れてきてた」とも言っている。
この部分と「ジェンダー時代遅れ」の部分の関係がまったくわからないのだが、3回くらい見るとなんとかわかるのは、彼女の会社はジェンダー議論の先を行っていると言いたいらしいことだ。いまの若い層はそこまで進んでいると伝えたかったのだろう。 ■「報ステ」CM背景にテレビ業界のある変化 時代の先を行くはずが時代とズレまくり、イメージアップどころか逆にイメージを最悪にするCMになってしまった。Web用のCMの場合、予算がかからず影響力も小さいため担当者のみで走って、チェックが甘く炎上する例が数年前はよくあった。本件はその久々の事例ではないだろうか。もしそうなら、Web用CMを作った担当者のせいで終わりかねない。
だが私はこの件からさらにニュース番組が患っている「重病」について語りたい。 そもそもなぜ「報ステ」は若い女性が登場するWeb用のCMを作ったのだろう。以下は私の推論だ。 テレビ業界は2019年、世帯視聴率から個人視聴率に指標が変わった。このテーマは東洋経済オンラインで何回か書いている。ざっくり言うと、世帯視聴率では数の多い高齢世帯の視聴に大きく左右されていたのが、個人の視聴率を世代別に見られるようになったため、広告主が重視する「若い世代の視聴」が問われるようになった。
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