2021年1月末から日本でも利用者が急増したクラブハウス。文字を介さず、リアルタイムの音声を介して交流するタイプのSNSとして、今後も利用者が増えるのだろうか。クラブハウスが他のSNSとは違うポイントをまとめた。(フリーライター 鎌田和歌) ● 気付くと深夜まで続くおしゃべり 2020年4月にアメリカでスタートした音声SNS「Clubhouse(クラブハウス)」は、2021年1月末から急激に日本語話者のユーザーが拡大した。筆者もこのタイミングでクラブハウスを始め、「ハマると仕事時間が削られそうだからハマらないようにしよう」と思ったにもかかわらず、気付くと深夜まで続くおしゃべりを聴き続けてしまい、寝不足が続いている。 「今、身近な人の間で何か面白いトークが繰り広げられているかもしれない」と思うと気になってついついアプリを開いてしまうし、そうでなくても仕事の合間にふとアプリを開いたときに面白そうなroom(会話をするための仮想空間)があると入ってしまう。 筆者は始めてから数週間たったが、クラブハウスと他のSNSとの違いがなんとなく見えてきた。もちろん、他のSNSと違うからといってそれが良いとは限らないが、とりあえず現時点で感じたことをまとめてみたい。
● その1:招待した人が表示され続ける仕組み クラブハウスを始めるためには、自分の携帯番号を知っている知人から招待される必要があり、さらに招待した人が誰かということが、自分のプロフィール欄に表示され続ける。さらに、その人が連絡帳に登録している人の情報をクラブハウス側に提供する仕組みとなっている(この仕組み自体が、個人情報が漏えいするリスクがあると懸念されている)。 また、これらの個人情報との強い結びつきからか、実名ユーザーが多い傾向がある。 例えば、ツイッターの日本人ユーザーは匿名やペンネームで利用している人がかなり多い。また、匿名でのサブアカウントを作ることも簡単で、悪質な荒らし行為や、盗撮画像を拡散するような行為も頻繁に行われてしまっている状況がある。これらの行為を行う人のほとんどは匿名ユーザーであることを考えると、匿名を隠れみのにしてSNSで傍若無人に振る舞う人がいることは明らかだ。 クラブハウスも匿名やペンネームで利用することもできるが、一方で携帯番号というメールアドレスよりも特定力の強い個人情報にひも付いている。さらにそのユーザーを招待した人が表示され続けることが意味するものは、「連帯責任制」である。招待した人がいわば「保証人」として機能している。 ツイッターでは、悪質な行為を行った人を特定することがそもそも難しい場合が多く、ツイッター社もその状況の改善に積極的な様子は見えない。 もちろん今後、クラブハウスでも悪質行為が行われる可能性はあるが、後発SNSとして先行SNSで問題となった「匿名ユーザーの悪行」に、シンプルな方法で対策を取った感はある。 ● その2:ブロックされてもパッと見ではわからない 他のSNSと同様、クラブハウスにも特定ユーザーをブロックする(相手に自分の発信内容が見られないようにしたり、相手の発信が自分に表示されないようにしたりする)機能がある。ただ、クラブハウスが他のSNSの「ブロック」と違う点は、ブロックされてもされた側が気付きづらい仕様になっていることだ。 たとえば、ユーザーAがユーザーBをブロックしたとする。そのとき、下記のような状況になる。 (1)AがBのプロフィールを見ると、「Blocked(ブロックした)」と表示される (2)BがAをフォローしていた場合、A側のフォロワー欄では確認されなくなる (3)BがAのプロフィールを確認した場合、ブロックされていることは表示されない (4)Aがモデレーターを務めるroomの存在がBには表示されなくなる (5)同じroomにAとBが同時にリスナーとして入室した場合、お互いがいることが確認できる (1)(2)はツイッターなどと同じだが、(3)は違う。これは意外に大きな点ではないかと思う。 ツイッターの場合、ブロックされた側が相手のプロフィールを見ると、ブロックされていることが表示され、相手のタイムラインが一切見られなくなる。これはツイッターが「つぶやき」のテキストを流すことに特化したSNSである以上、仕方のない仕様ではあるが、人から「ブロックされた」事実が人に与えるショックは大きい。
からの記事と詳細 ( クラブハウスは殺伐としない?調べてわかった後発SNSの良さと違い(ダイヤモンド・オンライン) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース )
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