海上自衛隊の潜水艦「そうりゅう」(排水量2950トン)と民間貨物船の衝突事故で、そうりゅうが浮上時に水中音波探知機(ソナー)で行う他船舶の確認が不十分だったことが、防衛省関係者への取材でわかった。現場の潮流や乗組員の練度不足などが影響している可能性があり、同省は事故調査委員会のメンバーを現地に派遣し、原因究明を進める。
防衛省関係者によると、潜水艦は浮上する際、ソナーで付近を航行中の船舶などを把握し、海面近くに達すると、潜望鏡を海上に出して目視でも周囲を確認する。今回の事故では、潜望鏡での確認時に貨物船を発見したが、すでに衝突を回避できないほど距離が接近していた。海自幹部によると、現場付近の潮流は複雑で、こうした海域では音波が屈折し、ソナーによる探知が困難な場合があるという。
事故時、そうりゅうは定期検査後の訓練中だった。検査中は約60人の乗組員も長期間、海上での任務から離れており、訓練は練度回復などを目的としていたが、ソナーでの確認手順が不十分だった可能性がある。
防衛省は8日、海上幕僚監部内に事故調査委員会を設置。岸防衛相は9日の閣議後記者会見で「浮上の際の安全手順の確認を再度徹底する」と語った。
一方、そうりゅうと衝突したとみられる香港船籍の貨物船「オーシャンアルテミス」(約5万トン)は9日午前、徳島県沖を航行中。船舶の運航情報を公開するサイト「マリントラフィック」によると、岡山県倉敷市の水島港を目的地としている。
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