昨年12月28日からGo Toトラベルが一斉停止、1月7日からは1都3県で緊急事態宣言が再発令され、ホテル業界の苦境が続いている。そうした中、低料金での宿泊、日帰りや時間単位での利用などテレワークプランを応援するプランなどで、少しでも客足を取り戻そうとしているホテルは少なくない。
緊急事態宣言下で、再びリモートワーク中心の生活に切り替わった人たちにとって、こうしたプランはありがたく、特に自宅が集中できる環境がない人にはなおさらだ。マネーポストWEBの30代記者Kは、複数のビジネスホテルで長期滞在し、テレワークを体験してみた。その様子をレポートする。
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自分は現在、家庭の事情で実家に出戻り中。1人暮らしの時とは勝手が違い、仕事環境が良いとは言えない。仕事をする椅子とデスクはリビングのダイニング用、もしくは自身が学生時代に使っていた学習机と椅子だ。さらに、同居する両親や妹夫婦に気を遣うことが多く、仕事に全く集中できない。そんな日々にさよならすべく、実家を飛び出し、ビジネスホテルへと向かった。
ビジネス街のテレワークが「辛い」理由
最初に泊まったのは新宿近郊のホテルS。通常1泊8000円のところ4500円で宿泊することができ、1週間を予約。部屋も16平米ほどあり、ビジネスホテルにしては広々とした間取りだが、予約時には作業スペースの確認は必須。化粧台ではなく、しっかりとした作業デスクと椅子が備わっていることが肝要だ。
Sは高速インターネット回線も備えており、仕事は快適そのものだった。実家と比べものにならないほど静かな環境で、漫画やゲームといった誘惑されるものもない。これなら自宅はもとよりカフェで作業するより集中できる。
ただし、短時間や日帰り利用なら十分すぎるが、1週間の連泊とあって、窓を開けると都会特有のビルがすぐ近くにある眺望に息が詰まった。息抜きの散歩も、ビジネス街だとどうも味気ない。テイクアウト中心の生活も、チェーン店ばかりだと飽きがくる。
1泊2500円と激安だったホテルの「落とし穴」
そこで次に泊まったのは、江戸の下町風情が残る人形町・水天宮前エリアのホテルD。こちらも1週間滞在した。通常時は1泊5000円前後のところ2500円。ここでも約半額というリーズナブルな価格だ。部屋は狭めの10平米ほどだが、横に長い机が思った以上に使い勝手が良く、椅子の座り心地も良好。日帰りでもテレワークプランを提供しているので、短期間に集中したい人にも良さそうだ。
だが、想定していなかった問題が発生した。記者は原稿を紙に出力したり、資料をスキャンしてPDF化したりすることはあまりしないタイプだが、それが必要になったのだ。その度にコンビニに行かなくてはならず、プリンタ貸し出しか、施設内に備えているかの確認も大切だったことを痛感した。
無料で使える乾燥機付き洗濯機に感謝
最後は築地・銀座エリアのホテルP。長期滞在で困る“洗濯問題”を解決してくれた。部屋内に乾燥機付き洗濯機があり、無料で好きな時に洗濯できるのは大きな魅力だ。通常1泊7000円のところ破格の2000円後半で泊まることができた。1週間や1か月の滞在プランもあるため、ホテル滞在でテレワークを考える人にはこのタイプのホテルは選択肢になるだろう。
このホテルでは、ロビーでテレワークをしている人も多く目についた。その1人である40代男性・Aさんに話を聞いてみると、妻との離婚を機にホテルを転々としながら、新居を探しているという。Aさんはホテルでのテレワークのメリットとデメリットをどう考えるのか。
「いつも家で仕事をする人にとっては、気分転換に良いと思います。環境を変えることで仕事も捗ります。大浴場やサウナなどの施設、コーヒーなどのアメニティが充実しているとさらに良いですね。旅行気分で、長期滞在も悪くないのですが、デメリットはやはりお金。私の場合だとホテル滞在費は月15万円くらいかかっています」
実際、お金の問題は避けて通れない。記者も3つのホテルで計1か月滞在したところ約12万円かかった。都内の一等地での滞在であり、平時に比べれば破格といえば破格だが……。その分、光熱費や掃除の負担はなく、快適であることは言うまでもない。
オフィスで仕事をするのとは勝手が違い戸惑うことも多いテレワーク。お財布と相談しながら、出社と自宅、そしてホテルをうまく組み合わせて、生産性とモチベーションアップを狙うのもいいかもしれない。
からの記事と詳細 ( 複数ビジネスホテルに1か月滞在してわかったテレワーク時の注意点 - goo.ne.jp )
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