仙台放送
新型コロナの感染者が国内で初めて確認されてから1年が経ちました。この1年、未知のウイルスと闘い続けてきた専門家に、新型コロナについてこれまでにわかってきたことなどを聞きました。 元・国立感染症研究所の主任研究官で、現在は、東北大学大学院教授を務める小坂健医師。この1年間で「新型コロナについて新たにわかったことは、少なくない」と指摘します。 東北大学大学院 小坂健 教授 「一番厄介なのは、“約半分は症状が無い人からうつる”こと。特に若い人たちは症状が出ないことが多く、知らない間に感染を広めていることがある。やはり、中心の感染ルートは“飛沫感染”。“接触感染”もあるが、それほど多くない。このウイルスは、インフルエンザと違って口の中ですごく増えるので、人がマスクをしないで話すことを通じて、感染させてしまうことがわかってきた」 感染拡大を受け、宮城県などが「アルコールを提供する飲食店がおもな感染経路である」として、国分町周辺に限定していた時短要請を1月27日から2月7日まで延長し、区域も仙台市全域に拡大したことについては。 東北大学大学院 小坂健 教授 「マスクをしないで話す状態が、一番危険であることはわかっている。その状態がどういう時に発生するかというと、“やはり飲食店が多い”と思う。しかし、時短要請も、今も夜10時までですよね。そうすると『1次会、2次会ぐらいまでOK』というのは、対策としては中途半端な印象を受けます」 また県内では、これまでに大学のキャンパスや高校の部活動などでも感染が広がり、複数のクラスターが発生しています。県教育委員会では1月、県立学校に対し他校との練習試合など部活動の対外活動の自粛を求めていますが。 東北大学大学院 小坂健 教授 「これは難しいところで、大学などでも授業によって感染するわけではない。ただ、そうやって授業や部活で人が集まると、授業が終わった後などに、みんなで飲食を共にしたり、あるいはクラブ活動を通じてそういう所で感染が増えていくわけです。なかなか対外試合を止めたから、すぐうまくいくことはないと思う。若い人にとっては人と話をしたりパーティーをしたり会食したりというのは、何よりの楽しみであり、自然なこと。我々が人間として生きる上で非常に大事なことだと思うのですが、それをこの新型コロナはストップしないと、なかなか感染を抑えられないという、ある意味、我々の変革を迫られているわけです」 新型コロナとの闘いが始まってからすでに1年…。感染の動向を見続けてきた小坂教授によれば、県内でも、すでに一部で、誰でもいつでもうつるおそれがある「市中感染」が始まっているとみられるといいます。私たちは、本当にこの新型コロナを「正しく恐れる」ことができているのでしょうか? 東北大学大学院 小坂健 教授 「コロナは症状が無くてもうつるので、誰が感染しても仕方ない疾患です。だからそういう観点から、これは本当に誤解を生むんですが、『安心して感染できる社会』を一方で目指さなければならない。もちろん感染管理はするんだけど、一方で恐れすぎて感染した人を排除するような、分断するような方向にあっては非常にいけない」 小坂教授は、新型コロナは「感染したらすぐに死亡するような病ではないので、必要以上に恐れる必要は無い。(※一部の基礎疾患のある方を除く)」とした上で、2月にも国内でも接種が始まる予定の新たなワクチンについては、次のように指摘します。 東北大学大学院 小坂健 教授 「ワクチンが、ひょっとすると『ゲームチェンジ(形勢逆転)』をする可能性はあるが、ただ『ゲームセット(感染終息)』にはならないということもわかっています。場合によっては変異によってワクチンがちょっと効かなくなるかもという危惧もされているので、少し長く付き合っていく必要があるかもしれないということが、今わかっています」
からの記事と詳細 ( コロナ禍1年…分かり始めたこと 専門家に聞く 新型コロナを「正しく恐れる」ことができているか? 宮城(仙台放送) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース )
https://ift.tt/3pumaej
No comments:
Post a Comment