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Friday, November 27, 2020

スバル・レヴォーグ 公道試乗でわかった! 新開発1.8ℓリーンバーンエンジンもアイサイトXも「じつに奥の深いクルマ」と感じさせてくれる出来の良さ - MotorFan[モーターファン]

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左:新型レヴォーグGT-H EX 車両価格○370万7000円 右:STI Sport EX 車両価格○409万2000円

スバル新型レヴォーグをようやく公道で試乗することができた。高速道路、郊外路、アップダウンのあるワイディング、そして首都高の渋滞路とあらゆるシーンをドライブできるように設定されたコースでレヴォーグの真価の一端を見ることができた。果たしてその完成度は?
TEXT & PHOTO◎世良耕太(SERA Kota)PHOTO◎SUBARU

GT-HでアイサイトXとワインディングの走りを試す

SUBARU航空宇宙カンパニーの宇都宮製作所でのカット。後方左が「富士重工式FA-200-180型」いわゆる「エアロスバル」である。右側は「富士ベル式205B」ヘリコプターだ。

これまでテストコースやサーキットで新型レヴォーグに触れる機会があった。技術者からレクチャーを受けながら周回路を走ったり、平滑な路面でのパイロンスラロームを行なったり、ショートサーキットを走ったりした。今回は初めて公道で新型レヴォーグに触れることができた。慣れ親しんだ環境で触れたからこそ気づいた点が多々あった。1泊2日のツーリングで感じたことを順に紹介していこう。

出発地は宇都宮(栃木県)だった。ここには、株式会社SUBARU航空宇宙カンパニーの宇都宮製作所がある。4人乗り軽飛行機のエアロスバルやヘリコプターの富士ベル式205B、はたまた対戦車ヘリコプターのAH-1S(コブラ)を前に、航空宇宙カンパニーの技術者は言った。

「EyeSight(アイサイト)はもともと航空と一緒にやっていたんですよ。自動着艦のカメラの開発をまずやっていた。着艦するときにカメラで見て、測距して着地する。その技術をアイサイトに展開し、我々のほうでは無人機の着艦システムに展開しました。レヴォーグではディスプレイを作るときに協力しました。航空機のパイロットは意外に短気なので、直感的に認識してすぐに判断しないといけない。それがスバルに伝わる安全のための認識のしやすさ。それがレヴォーグにも生きていたらいいなと思います」

航空宇宙カンパニー側は、主にコストの面でスバル・オートモーティブ・ディビジョンから学ぶことが多いという。そんな両部門のシナジー効果について聞きながら、レヴォーグに乗り込んだ。最初のスティントは、宇都宮グランドホテル〜太田強戸パーキングエリア(北関東道)間の約67kmだ。最初の約10kmは一般道である。

全長×全幅×全高:4755×1795×1500mm ホイールベース:2670mm
最低地上高:145mm 最小回転半径:5.5m
トレッド:F1550mm R1545mm

試乗車はGT-H EXだった。「GT-H」は3グレードあるうちの中間で、ベースのGTに対してハンズフリーオープン・パワーリヤゲートやアクセスキー対応運転席シートポジションメモリー機能などが追加される。「EX」は高度運転支援システムのアイサイトX搭載車となり、12.3インチフル液晶メーターと11.6インチセンターインフォメーションディスプレイ&インフォテインメントシステムなどをセットで装備する。電子制御ダンパーやドライブモードセレクトを備えるのは、最上級のSTI Sportだ。

「静かだなぁ、このクルマ」というのが第一印象だった。エンジン音やロードノイズは耳に届くものの、エンジンが動いている、あるいは道路の粗さを伝える情報として届くのみで運転を邪魔しないし、同乗者との会話を邪魔しない。その印象は高速道路に乗ってからも変わらなかった。ちなみに、100km/h走行時のエンジン回転数は約1700rpmである。

交差点から発進して巡航スピードに到達するまで、高速道路の料金所を通過して本線に合流するまで、いずれの場合の加速時も、期待どおりに力が沸き上がってくる。アクセルペダルの踏み込みに対する反応が鈍くてイライラすることはない。強めの加速を欲した際は少し踏み増せば期待に応えてくれる。その際、エンジン回転が一気に上がって騒々しくなるということがない。

感心したのはブレーキフィールだ。ペダルに軽くタッチした瞬間にしっかりした制動力を返してくれる。ストロークではなく圧で制動力をコントロールする感覚だ。少し踏むだけでギュッと締め付けるように減速するが、神経質さは一切なく頼もしいばかりだ。いっぽうで、電動パワーステアリングはセンターの座りが甘いように感じられた。好みの範ちゅうだろうが、もう少ししっかり感がほしい。

ステアリングホイール左側はインフォテインメントのコントロールスイッチが並ぶ
アイサイトXとドライブモードセレクト(GT-Hの場合は「S」と「I」の切替)のコントロールが右側

高速道路に入り、さっそくアイサイトXを起動した。ステアリング右側に並んでいるスイッチ類の右下のスイッチを押し、中央のトグルスイッチで車速をセットすればオーケー。ハンズオン(システムがアクセル、ブレーキ、ステアリング操作をアシスト)で使用できる場合はメーターの表示が緑になる。この機能、すなわちツーリングアシストはアイサイトXの専用ではないため、EXグレードを選択しなくても利用することは可能だ。

アクティブレーンチェンジアシストはアイサイトXの専用機能である。70km/h〜120km/hの範囲で作動させることが可能だ。メーター内に隣接車線が表示されている場合(ただし、白い扇型のマークが表示されている場合は不可)、レーンチェンジする車線方向にウインカーレバーを深く下げると、アシストを開始する。

これは病みつきになる。まず、ウインカーレバーを下げてから作動開始までにもたもたしないのがいい。ステアリングを保舵している必要はあるが、車線変更の操作自体はクルマ側が行なってくれる。その際のクルマの動きがなんともスムーズで、悔しいが、自分でレーンチェンジするより上手だ。

太田強戸PAまではアクティブレーンチェンジアシストを繰り返し試しながら(そして、すっかりこの機能のファンになりながら)ドライブした。PAの直前になって慌てふためいたのは、ツーリングアシストのキャンセルの仕方がわからなかったからだ。他メーカーにあるようなCANCEL専用スイッチは見あたらない(右上のスイッチを押すとキャンセルされる)。宇都宮〜太田強戸PA間の燃費は15.7km/ℓだった。

あまりにクルマが静かだったので、ドライバーチェンジした第2スティント、太田強戸PA〜横川サービスエリア(上信越道)間は後席で過ごした。前席ほどではないにしても、静粛性は高く、足元や頭上の空間に余裕があり快適性は高い。後ろめたさをともなわずに、後席に乗員を案内できる。後輪からの入力は上手に減衰されるため、乗り心地で不満が漏れることもないだろう。

軽井沢へ登るワインディングでは激しい雨に見舞われたが、4WDへの信頼で安心してドライブできた。
リニアトロニックCVTのギヤ比:4.065〜0.502である。最終ギヤ比は3.900。レシオカバレッジは8.098へと大きく広がった。ちなみに、前型1.6ℓGTのリニアトロニックは3.581〜0.570でレシオカバレッジは6.282だった 最終ギヤ比は3.900。ファイナルギヤレシオは同一だ。

横川SAで運転席に戻り、軽井沢の万平ホテルに針路を取った。碓氷軽井沢インターチェンジから国道18号のバイパスに向かうまでは、曲率の比較的大きなカーブが連続する上り勾配が続く。さらに、新型レヴォーグのポテンシャルを引き出すには好都合なことに(?)、強い雨が降ってきた。路面はフルウェットであり、雨粒は容赦なくフロントガラスを叩く。

実際に4輪駆動として走っていたかどうかは別にして、「4WDである」ことが安心感につながるため、フルウェット(しかも低温)のワインディングに対しても神経質になることはなく、ドライビングを楽しんだ。ステアリングを握る手や、シートに接する尻から入るインフォメーションが「安心して運転していいよ」と伝えてくる。路面状態を問わず安心して運転できるのは、レヴォーグの強みだ。太田強戸PA〜万平ホテル間の燃費は13.3km/ℓだった。

ワインディングでも高速道路でもエンジンにトルクがあるからアクセルを踏み込んでもエンジン回転数だけが先に上がっていくCVTの悪癖を感じることがない。

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November 28, 2020 at 11:39AM
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