過去4年間(2016-19年度)に運動部の倫理・コンプライアンス(法令遵守)違反を把握している大学は全体の24.5%(24大学)―。大学スポーツの統括組織、大学スポーツ協会(UNIVAS=ユニバス)の調査で、そんな実情が明らかになった。
SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)全盛の昨今、もはや運動部の不祥事は隠すことはできなくなったのだろう。不祥事撲滅が急がれる中、加盟大学のより良い運動部運営を目指すユニバスにとって、指導者のコンプライアンス、大学のガバナンス(統治・管理)は喫緊の課題となっている。
加盟大学へのインターネットアンケート調査は、9月16日から10月6日の間に実施された。ユニバス加盟の202大学(法人を含む)うち、回答があったのは98大学の49%だった。スポーツ庁が推進する、スポーツ分野を一体的にマネジメントする「大学アドミニストレータ―」(またはそれに相当する立場の人)の配置はまだ26.5%(26大学)にとどまっていることもわかった。
運動部で起きる指導者の不祥事においては、指導者本人の問題もあろうが、大学側がなぜ起用したかという部の問題、大学がどう責任をとるかというガバナンスの問題もある。大学の外部の人が指導している運動部は91・8%(90大学)でみられ、学外者が指導している運動部が半数以上ある大学は32.2%(29大学)となっている。
契約形態をみると、学外指導者との契約(雇用契約・業務委託契約を含む)または登録・申請・届出などにおいて、75.6%(68大学)は大学と契約または登録などをしている指導者が1人以上いるとしている。ただ、その選任過程に影響を与えている要因は、大学の理事長や学長より、運動部のOB・OG、あるいは前任者の意向が大きいことがわかった。
また運動部における倫理・コンプライアンスに関する事項について、43.9%(43大学)では大学組織内の規定に定められている。運動部での倫理・コンプライアンス違反に対応する相談窓口は、55.1%(54大学)において、大学の学生課などの学生支援・厚生補導を行う部局に設置されている。
ユニバスでも運動部の指導に関する講習会を実施してきた。2019年度、大学内で実施された運動部の指導(倫理・コンプライアンス)に関する講習会について、42.9%(42大学)は学生課などの学生支援・厚生補導を行う部局で実施されているという。
ユニバスの発表では、新型コロナウイルスの運動部への影響についても調査、「新型コロナウイルス禍を受け、ほぼすべての大学(94.9%=93大学)が感染症対策として運動部活動の禁止または制限を実施していた」としている。ただ、10月上旬の段階で、ほぼすべての大学(94.9%=93大学)で活動再開に踏み切った運動部があることがわかった、とユニバスは総括している。(データの引用元:一般社団法人大学スポーツ協会)
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October 30, 2020 at 05:30AM
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