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Wednesday, July 1, 2020

強烈な赤い遊覧船 余計なことは言うまい、でも…胸に秘めていた不満 - 西日本新聞

放送作家・海老原靖芳さん聞き書き連載(102)

 またも突然ですが、告白します。私は新聞を購読していません。西日本新聞さん、ごめんなさい。でも聞いてください。以前に話したように、あんなことがあって6年前にUターンしましたが、放送作家が東京のキー局から遠い佐世保に住めば収入は激減どころかゼロ。出費を減らさなければなりません。だから生活防衛のために、泣く泣く新聞購読をやめたのです。

 でも、この連載のおかげで6年ぶりに紙面に目を通し、こだま欄も読んでいます。やはり、いいですね。なにがいいかって、ネットのひきょうで無責任な無記名発言と違って、きちんと住所、氏名、年齢を記してあるのが正々堂々としていて気持ちがいいです。発言者はこういう潔さがなくてはなりません。

 そこで私もこだま風に。

 海老原靖芳=66 

 私は40年ぶりに故郷佐世保に戻り、その良さを再認識しています。いつ訪れても爽快な開放感のあるパールシーリゾートの手すりに両肘をかけ、遊覧船「パールクイーン」の白い航跡が残るエメラルドグリーンの海を見ていると、思いっきり深呼吸をしたくなるときがあります。

 潮っぽく懐かしい空気を吸い込んでは吐き出すことを何度も何度も繰り返し、今までの自分まで吐き出して、生まれ変わったようにすがすがしい気分でいたときです。なんとも暑苦しい色の船が島影から現れました。もう1隻の遊覧船「みらい」です。初めてその船体の色を見たときは驚きました。赤が強烈です。

 「世界で最も美しい湾クラブ」に加盟した九十九島に、あんな色は似合わないだろうと思っていますが、私はそういう色を決める立場ではないですから、余計なことは言うまいと胸の内に秘めていました。

 ところが、女優の藤田弓子さんも同じ感想を口にしました。昨年の1月です。弓子さんは友人の一人で、主役の母親を演じた「ペコロスの母に会いに行く」の舞台が佐世保であるから会おうよと連絡があり、私がガイドになって一緒に島巡りをしました。

 そのとき弓子さんが「みらい」を見て言いました。「あの色はこの海と島の色に合ってないよ。松島(宮城県)よりも九十九島の方が断然きれいなのに、あの色はやめたがいいよ。エビちゃん、言っといてよ」。そう言われましたが、誰に言っていいのか分かりませんので、こだま欄に投稿しました。(長崎県佐世保市・放送作家)

………………

 海老原靖芳(えびはら・やすよし) 1953年1月生まれ。「ドリフ大爆笑」や「風雲たけし城」「コメディーお江戸でござる」など人気お笑いテレビ番組のコント台本を書いてきた放送作家。現在は故郷の長崎県佐世保市に戻り、子どもたちに落語を教える。

※記事・写真は2019年10月17日時点のものです

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