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Sunday, May 10, 2020

「新型MacBook Pro」vs. MacBook Air。実機テストからわかった選ぶべきモデル - BUSINESS INSIDER JAPAN

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新MacBook Pro 13インチモデル。色はスペースグレイ。CPUに2GHzクアッドコア第10世代インテルCore i5(Turbo Boost使用時最大3.8GHz)、ストレージに512GB SSDを採用した、店頭販売モデルとしては、上から2番目のものになる。

撮影:西田宗千佳

5月4日、新しい13インチ版「MacBook Pro」が発表になった。新モデルの評価機材が届いたので、取り急ぎレビューをお届けする。

新MacBook Pro13インチモデルのポイントは3つある。

1つ目は、キーボードがシザー構造の「Magic Keyboard」になったこと、2つ目は主に上位モデルでパフォーマンスが大幅に向上したこと、そして3つ目は、メモリーやストレージの容量が増え、さらに価格も下がったことから、「お買い得感」が非常に高くなった、ということだ。

それだけに、どのモデルを選べばいいのかが悩ましい。そもそも、13インチモデルの場合、サイズ的に、先日リニューアルした「MacBook Air」とどちらを選ぶべきか、という話も出てくる。

今回は実機で確認したパフォーマンスを元に、「どの機種を選ぶのがいいのか」を考えてみよう。

キーボードが大幅刷新、「Magic Keyboard」に

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新MacBook Proのキーボード。16インチ版やMacBook Air、iPad Pro用の「Magic Keyboard」と同じ仕組みになった。

撮影:西田宗千佳

試用機は、店頭販売モデルでいえば、上から2番目のスペックにあたる、第10世代Core i5搭載でストレージが512GBのもの。合わせて、MacBook Airの2020年モデルも比較に使った。

シンプルに言えば、今回のMacBook Proは、キーボードの変更が最大のポイントだ。

これは「アップルがポータブル製品においてキーボード構造を見直していく」計画の最終段階、ともいえる。2019年11月に発売された「MacBook Pro 16インチモデル」から採用されたシザー式の「Magic Keyboard」への入れ替えは、3月に発表されたMacBook Air、iPad Pro用の外付けキーボードを経て、13インチモデルのMacBook Proに搭載されたことで完了した、と言っていい。

だから、今回のMacBook Proは、デザイン的な旧機種との違いは「キーボード周りを変えただけ」である。

だが、それが大きい。

従来の「バタフライ構造」と呼ばれていたキーボードに不満を訴える人は多く、事実、タイプ音もタイプ感も大幅に改善している。おそらくは故障の可能性も減っているだろう。

MacBook Proは、ファンクションキーの領域に、タッチセンサーを採用したディスプレイである「Touch Bar」を搭載しているが、従来モデルは「ESCキー」もTouch Barで代用する構造だった関係で、ESCキーを多用する人にはさらに評判が良くなかった。今回はESCキーが独立した配列に戻り、その点もプラスだ。

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「ESC」キーが独立したキーに。これを待ち望んだ人もいるのではないか。

撮影:西田宗千佳

使ってみた限り、MacBook Proでのタイプ感・タイプ音は、新MacBook Airとほとんど同じ。「十分以上に快適で、タイプ音も減った」ということだ。実のところ、もうこの時点で、旧型のMacBook Proを使っている人には「買い」なのではないだろうか。

上位版13インチモデルの性能はAirの「2倍」

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手前がMacBook Air、奥がMacBook Pro。こうやって並べてしまうと違いがほとんどわからない。

撮影:西田宗千佳

とは言え、そうなるととても難しい問題に直面する。それは「Airと13インチ版Pro、どちらを選ぶのか」という、ある意味、古典的な問題だ。

MacBook AirとMacBook Proは、デザイン的に非常に近い。もちろん、Airの方が薄くて軽いが、重量差は約110gと、そこまで大きくない。カバンへの収まりで言えば「ほとんど変わらない」と言ってもいいだろう。

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左がMacBook Pro、右がAir。手前に来る部分がAirのみすこし薄くなっているが、全体の厚みはほぼ同じ。

撮影:西田宗千佳

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左がMacBook Air、右がMacBook Pro。並べてしまうとキーボード以外の差が小さいのがわかる。

撮影:西田宗千佳

ではどこで選ぶのか? 結局は「価格をとるかパフォーマンスをとるか」という点に尽きる。

同じMacBook Pro 13インチモデルでも、実際には、価格重視の下位モデルと性能重視の上位モデルがある。この点は過去のモデルも新モデルも同じだ。今回試用しているのは上位モデルにあたる。

上位モデルとMacBook Airのパフォーマンス差はかなり大きい。

MacBook Airとして、2020年新モデルのうち、上位モデルにあたるインテルの「第10世代クアッドコアCore i5(クロック周波数1.1GHz)」を搭載したモデルと、新MacBook Proの上位モデル(CPUは「第10世代クアッドコアCore i5(クロック周波数2.0GHz)」)の性能差は、「ほぼ倍」と言っていい。CPUのシングルコア性能は3割増し程度だが、マルチコア性能で倍になり、GPU性能でもざっくり2倍だ。

information

どちらも第10世代クアッドコアCore i5プロセッサーだが、Air(白)とPro(黒)ではクロック周波数が大幅に異なり、メインメモリーも倍になっている(モザイクで隠している部分は製品シリアル番号)。

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「GeekBench5」でCPU性能を比較。マルチコア性能で言えば、Air(白)とPro(黒)ではざっくり2倍の差がある。

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同じく「GeekBench5」を使ってGPU性能(グラフィックス処理性能)を比較。こちらもAir(白)とPro(黒)では2倍の差になった。

13万円台のモデル(Air)と18万円台のモデル(Pro)でこれだけの性能差があると、長く使いたい人はProの方を選びたくなるのではないだろうか。特にProの場合、上位モデルはメインメモリーが16GBである点も、「長く使える」安心感につながる。

今回、MacBook Proの下位機種については試用機の貸し出しを受けていないので、パフォーマンスについて正確に言及するのは難しい。しかし、下位モデルについてはCPUが「第8世代Core i5(クロック周波数1.4GHz)」であり、GPUも1つ古い世代のものになる。2019年モデルとの差が小さい。おそらくは、性能が上がったMacBook Airとの差はより小さくなっているだろう。

最下位モデル同士で比較した場合、MacBook AirとMacBook Proの価格差は3万円。

ディスプレイ品質ではProの方が上だが、Airでも十分に綺麗であり、「価格重視発想」なら、今は13インチを選ぶ場合、Proの下位モデルを選ぶくらいならAirにした方がいい、ということになる。

だが、前出のように、上位モデルとなると話は別だ。2倍のパフォーマンスを5万円で得られることになる。「ならばProを」という人は多いのではないだろうか。

「どこまで性能を求めるか」が問題、ストレージは512GBモデルがお買い得

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上位版のMacBook Proには、右側にも2つThunderbolt 3端子がある。

撮影:西田宗千佳

とはいえ、実際に使う場合、この「性能差」はどこで体感できるだろうか。

率直に言って、オフィスアプリケーションやウェブなどを使うくらいなら、性能的にはAirでもまったく問題ない。Proの上位モデルほどの性能は必要ない。

逆に「本当に高い性能を求める人」、例えば3D CGの制作をもっと本格的にやる人や、機械学習をする人などにとっては、性能は良ければ良いほどありがたいが、そういう使い方は大多数ではないのも事実だ。ゲームをしたい人にもGPUは必要だが、それならWindowsを選んだ方が良い。

それ以外で上位版Proの性能を一般的な用途で感じられる例の1つは、「マルチディスプレイ」環境での使用が挙げられる。高解像度の外付けディスプレイを使うと、GPU性能的にはより高いものが必要になるのだが、それは、iPadを外付けディスプレイ代わりに使う「Sidecar」でも同様だ。

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iPadをMacの外部モニターにする「Sidecar」。ワイヤレスでマルチディスプレイ化できる点も魅力の機能の1つだ。

出典:アップル

MacBook AirでiPad Proを「外付けディスプレイ」として使うと、時々動作の遅さを感じる。だが、上位版MacBook Proを使った場合には、そういう印象は一切ない。数字で示せないのが難しいところなのだが、体感的に、MacBook Proの方が余裕を感じられる。

また、テレワークでビデオ会議が増えた、という人もいるだろう。ビデオ会議では、Zoomを筆頭に、自分の背景に任意の写真を合成する「バーチャル背景」が使える場合があるが、これも意外とパフォーマンスを必要とする。ビデオ会議を続けると、Airではファンがかなりしっかり回る印象だが、Proではもう少し余裕がありそうだ。

結局、「メインマシンとして外部ディスプレイ接続なども想定し、長く使うなら13インチ・上位版」「価格重視ならMacBook Air」という結論になる。

特に現在のモデルの特徴として、ストレージが「512GB」のモデルのコストパフォーマンスがいい、ということが挙げられる。256GBでもいい、という人も多そうだが、ストレージが大きくて困るものでもない。そして、1TB以上との価格差と実用性を考えると、512GBはいい線だ。

ストレージを512GBで統一すると、Air/13インチ上位版は、「13万円台」「18万円台」。このバランスの中で、先ほどあげた「パフォーマンスに求めるもの」を考えていくと、自分にあったモデルを選べるのではないだろうか。

(文・西田宗千佳)

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