4月23日投票の東京都江東区長選を巡り、木村弥生区長(58)陣営から違法な報酬を受け取った疑いがあるとして、東京地検特捜部が木村氏を支援した複数の同区議らに対し、公職選挙法違反(被買収)容疑で事情聴取したことがわかった。一部は自民党衆院議員の柿沢未途・前法務副大臣(52)から「区長選前に現金を受け取った」と説明したという。特捜部が木村氏から同法違反(買収)容疑で聴取したことも判明した。
特捜部は捜査態勢を拡充しており、現金提供の趣旨のほか、柿沢氏の関与などについても調べ、立件の可否を慎重に見極めるとみられる。
区長選は、前自民党衆院議員の木村氏と、同党の推薦を受けて出馬した前区長の長男らによる「保守分裂」となり、柿沢氏から支援を受けた木村氏が制した。
関係者によると、特捜部は10月下旬以降、木村氏を支援した複数の区議や元区議らに対する任意聴取を始め、現金授受や支援の内容などを確認。一部は区長選前に柿沢氏から現金を受け取ったことを認め、区長選と同日に行われた区議選の「陣中見舞いだった」と説明した区議らもいるという。
特捜部は、違法なインターネット有料広告を掲載した容疑で自宅などを捜索した木村氏に対しても区議らに現金を提供していた疑いで聴取。木村氏は否定したという。現金に区長選での票のとりまとめや選挙運動への謝礼の趣旨が含まれていれば、同法が禁じる買収罪にあたる可能性がある。
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