廃車になった陸上自衛隊の高機動車が鉄くずにされず海外流出した問題で、甲信越地方の中古車輸出会社が9月まで、屋根などを外して上下に解体された4両を自社の海外向けウェブサイトで売り出していたことがわかった。10年以上前に陸自から売り払われ、転売を繰り返された後、輸出会社に渡っていた。組み立てて再使用できる状態とみられ、読売新聞が流出問題を報じた後、販売を取りやめたという。
陸自は防衛装備品の高機動車を耐用年数(14年)が過ぎて入札で売り払う際、自衛隊を装うなどの悪用を防ぐため、鉄くずにすることを落札者に求めている。現行の規定では、陸自は違反した落札者に賠償請求できるが、転売先は対象外。
廃車の処理過程を示す公的資料などから、4両は10年以上前に関東地方の金属くず卸会社が落札したものとわかった。資料には、2020年6月に千葉県の業者が解体したとの記載もあった。甲信越地方の輸出会社は遅くとも22年3月にはサイトで販売していた。
サイトの販売ページには「Only dismantle(解体しただけ)」などと記載され、今年9月28日時点で4両をまとめて2万5400米ドル(約380万円)の価格を付けていた。国内で撮影したとみられる画像14点もあり、2両ずつ積み重ねてコンテナに詰め込む様子が映っていた。
輸出会社の経営者によると、4両は別の業者から仕入れ、屋根などを外された状態だったという。経営者は3月の取材に「自動車部品として輸出する」などと話していた。
4両の販売ページは9月29日に削除された。経営者はその後の電話取材に「もう話すことはない。9月中旬に(流出問題の)ニュースが出た後、販売をやめた。サイトにページが残っていたので消した」と答えた。
防衛装備庁の担当者は4両が売り出されていたことについて、「個別の事案に関しては、把握していたかも含めて答えられない」としている。
からの記事と詳細 ( 陸自の高機動車4両、上下に解体されただけの状態で輸出企業が ... - 読売新聞オンライン )
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