岐阜市にある陸上自衛隊の射撃場で自衛官３人が死傷した銃撃事件で、指導役の２曹（２５）（特別昇任）への殺人容疑で送検された自衛官候補生の男（１８）が、「弾薬係」の陸曹長（５２）（同）について、「動かれたら困るので、体が大きい人を撃った」と供述していたことがわかった。自衛隊の警務隊などは４日にも、陸曹長に対する殺人容疑で男を再逮捕し、全容解明を進める。
複数の関係者によると、男は６月１４日午前、射撃場内の「弾薬置き場」で実弾を受け取った後、所定外の位置で実弾を込めた弾倉を８９式小銃に 。勝手な動きを制止しようとした指導役の八代航佑２曹を銃撃したとされる。その後、再び弾薬置き場に近づいて発砲し、菊松安親陸曹長が２発被弾して死亡。別の弾薬係の３曹も左脚に重傷を負った。
男は県警の調べに、３人への殺意を否定した一方で、「弾薬を奪おうと思った。３人とも邪魔だから撃った」という趣旨の供述をしたという。
菊松陸曹長ら弾薬係の２人については、「すんなり実弾を渡しそうになかったから銃撃した」という内容の説明をした。死傷した３人のうち唯一２発被弾した菊松陸曹長に対しては、頭部を銃撃した後、「倒れたので背中を撃った」と供述したという。
男は６月１５日、八代２曹に対する殺人容疑で送検されており、警務隊などは菊松陸曹長らへの銃撃についても刑事責任を追及する。
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