リーダーになると、やるべき仕事や責任が格段に増える。メンバーの模範として働きつつ、部下の育成や業務管理など、プレーヤー時代とは異なるタスクが数々あるため、はじめは「何から手をつければいいのだろう…」と戸惑ってしまうだろう。
そんな悩めるリーダーたちが「もっと早くこの本に出合いたかった」「刺さりまくった」とこぞって絶賛しているのが、株式会社識学の代表取締役社長・安藤広大氏の著書『リーダーの仮面』だ。シリーズ累計75万部を突破している本書は、2021年、2022年と2年連続で「1番売れたリーダーシップ本」に輝いており、多くの人から「この本は、間違いない」と圧倒的な支持を集めている。
本稿では、本書より一部を抜粋・編集し、「管理職が絶対言ってはいけないセリフ」をご紹介する。(構成/根本隼)
「プロセス」重視は絶対にNG
リーダーは、「プロセス」で部下を評価してはいけません。プロセスには介入せず、「結果」だけを管理すべきだというのが、本書の主張です。
プロセス重視による弊害は数多くあります。たとえば、リーダーが部下に、「あの件はどうなっている?」「うまくいっている?」と聞いたとします。
すると、部下は、本当に順調であれば、「はい、順調です」と答えるでしょう。しかし、正直に答えないことも多くあります。
「はい、いい返事をもらっていて、契約に結びつけられそうです(本当はあまりいい反応じゃなかったけど……)」
このように、つい期待させる返事をしてしまうのです。そう言ってしまった手前、埋め合わせを頑張り、ウソをウソでなくする部下も中にはいるでしょう。しかし、そんな例はごく少数です。
「うまくいっている?」
「はい、順調です(本当は何も進んでいない……)」
「よし、期待してるぞ!」
このやりとりは、事実上、何も成果が生まれていない状態での会話です。
もし、その後、契約が取れないまま期限が来たとしましょう。
「契約は取れませんでした。直前に気が変わってしまったようです」などと、言い訳を報告したり、誤魔化したりするようになってしまいます。
管理職が絶対言ってはいけないセリフ
それを受けてさらに残念なのが、リーダーの次のような発言です。
「もうちょっとで取れそうだったのか。惜しかったな。でも、その頑張りだけは評価しよう」
これは、部下の仕事内容をリーダーが誤解したまま、プロセスを評価してしまっている典型例です。
このように、結果として契約が取れていないにもかかわらず、途中でヘタに声がけをして「いい返事」をもらったせいで、部下を評価せざるを得なくなります。
まさに、意識のズレが生み出した悲劇です。
「やってる感」ではなく、数値で管理
いい返事をすることは、無意識のうちにクセになります。
そうした頑張りアピールをしてしまう部下に対しては、「日報による管理」に切り替えるのが効果的です。日報による管理では、数値による管理をします。
「頑張ります!」などのプロセスを書く欄を設けずに、数値化した事実だけを書かせるようにしましょう。
ここで大事なのは、「日報は、『日記』ではない」と伝えることです。
特に若い人は、日報と日記の区別がついていないことが多いです。部下が日報に「感想」を書いてきたときは、日記ではないことを伝えて指導しましょう。
(本稿は、『リーダーの仮面』より一部を抜粋・編集したものです)
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